嵐の前でも、火はまだ燃えている。

ザァァァッ…ゴォォォ…

ドドォォォン!!

….

ガキィィン!

タタタッ…ドドドッ!

ハァ…ハァ…

「全軍、即刻撤退!」

「頑張れ、シノミ! もうすぐ脱出だ!」

「ハル! 早く! アイツが来る前だ!」 蓮、振り返って俺にガオオ!

ドシャッ!

「お前ら二人、今はイチャイチャタイムじゃねえ!」

「立てよ、早く!」

ザァァァッ…ゴォォォ…

「ハル?」

「ハル!?」

「オイ! 起きろよ、ハル!」

「なんで今倒れてんだよ!?」

「蓮…?」

「どうした!? 急に動かねえ!?」 蓮、両手でガクガク!

「俺…わかんねえ…体…重くて…」 俺、グイッ首上げる!

「オイ!…ハル…しっかりしろ…ハル…ハル…」 俺の目、スーッ閉じる、体、シノミにドサッ!

……………………………………………………………………..

「クソッ!」

「ハル! 今寝るなよ!」 俺、ガッシャガシャ揺する!

ガクッ

「坊や…ゼェ…ゼェ…ハルくん…限界だ…」

「俺たちも…」

「おっさん…誰だよ…」

「それは…後で…」

「今…ここから…逃げろ…」 男、鉄ガントレットで白テント指差す!

「走れ…ガキ…アイツが…来る前…」

ガクッ——ドサッ!

何!? 何が起きてんだ!?

全員、バッタバッタ倒れる!

アイツ、見えてねえのか!?

「クソ!! ハル! 立てよ!」

「立てってんだよ!!!」 俺、全力ガクガク、反応ゼロ!

…..

ヴォオオオオオ!!

….

俺の体、ガチッ! 目、離れねえ!

アイツ…何だ…

なんで…ここに…

………

「俺…ごめん…」 俺、ジリジリ後退!

ザァァァッ…タタタッ!

…..

顔伏せて全力ダッシュ! 後ろ見ねえ! 耳塞ぐ!

タッ…ガクッ!

「何つまずいた!?」 振り返る!

地面、腕一本! 体ねえ! 血が雨にザブザブ!

………

「何…これ…!?」

腕の先、無数の人! 瓦礫にゴロゴロ! 血が雨水でドロドロ! 鉄骨がズブリ刺さる!

………….

ザァァァッ…

えっ……あ、あぁ……

……

「これ…悪夢だ…」

「そうだ! 夢だ!」

「今強くつねれば…目覚める…」

「ビクッ…!」

….

「夢じゃ…ねえ…」 俺、目ガチガチ、ブツブツ、自分つねる!

….

ゴゴゴゴ…ズシィィン…!

「アイツ…来てる…」

「逃げなきゃ…」 俺、クルッ!

体動かねえ! 目、離れねえ!

俺…何してんだ…

何から逃げてんだ…

友達…どこ…

なんで…置いてく…

………

なんで…俺を助けた友達を…

……………

……………

ドンッ!

バシャッ! バシャシャッ!

…………………………..

「待たせたな、ハル! 今すぐ二人連れてく!」 俺、両方抱えてグイグイ!

ズシッ…ズシッ…

「いけんだろ…小林蓮!」

「これくらいできねえで…友達名乗れねえ!」 俺、全力引きずる!

ドサッ…ズリッ…

「クソ! 立てよ…この体…」 俺、ガバッ!

グラッ…ドシャッ!

……………

ドドドドドドッ!

俺の目、後ろ! 緑の光がギラギラ!

ギュオオオオォォォォ……!

アイツ…頭こっち! 口ガバァァ!

「ヤバい!」

「立てよ! 頼む! この体!」

「全部…ここで終わるわけねえ!」

……

ドゴォォォンッ!

黄金の光が顔面バチィッ!

ドガァンッ! バババババッ!!

「何だ!?」 俺、黄金の光の方向!

「アイツら…アイツらだ…」

街の向こう、俺が乗った黄金メカ軍団! フル火力で怪獣ボコボコ!

黄金火花がバチバチ! 煙モクモク!

そしたら、煙の中から小さい影がブーン!

ドガァァァァァンッ!!!

地面ビリビリ! 瓦礫ブシャーッ!

「星間さん!?」

服ボロボロ、煤だらけ、服焦げ!

「どこ行ってたんですか!?」 俺、首グイッ!

「思ったよりヤバい状況だな。」 無表情!

「でも安心しろ、もう終わる。」

星間さん、サッと近づく!

「留守中、ご主人様お預かりありがと!」

「ご…主人様…誰!?」

「今、できるだけ連れてく。君は先に逃げろ!」 星間さん、ハル+田中さんヒョイ!

「嫌だ!」

….

「絶対嫌だ!!」

…..

「一人じゃ逃げねえ!」

…….

「今回こそ!」

「もう二度と!」

「友達置いて逃げねえ!」

「分かった! 手伝うか?」 星間さん、ニカッ!

「はい!」

…………..

ビリビリッ…パチンッ!

ギュオオオッ!? グゥゥルルルル……ッ!!

ゴゴゴッ……グオオオオォォォォ!!

怪獣、全力で遠くのメカへ!

「今だ、急げ、小林さん!」

…………

ザバァッ! バシャッ! バシャッ!

ブロロロロォォォォッ…キィィィィィッ!!

「助けに来た! 早く乗れ!」 トラックから聞き覚えある声!

「川崎先生!? 何してんですか!?」

「小林さん!? …石川が残ってる時点で分かるだろ!」

「お前まだ何やってんだ! 早く運べ!」 小さい背中がスッ!

「ネネ!? お前まで!?」

「今そんな質問!? バカ!?」

「手伝えよ!」 ネネ、ガンッ俺を見る!

「上等だ!」 俺、ダッシュ!

……

バタンッ!

「最後の一人!」

「全員乗れ! 今すぐ発進!」

「まさかお前も役立つとはな、蓮。」

「こっちのセリフだ! さっきまでビビってたの誰だよ!」 俺、ニヤリネネ!

「何!? 言えよもう一回!」

「二人とも黙れ! 乗れ!」 川崎先生、顔クシャッ!

ふんっ

「もう大丈夫、ご主人様! 絶対連れてく!」 星間さん、ハルの頭ナデナデ!

…….

ドゴォンッ!

ドガァンッ! ドドドドドドッ!!

黒煙モクモク、黄金メカから!

「みんな…よく戦った…」 川崎先生、目ウルッ!

「全員掴まれ! フルスロットル!」 アクセルガツン!

…….

ズシン……ズシン……

怪獣、こっちに首グイッ!

「先生…早くぅぅ!!」

「頑張ってる…掴まれ!」

俺の目、追う怪獣から離れねえ! でも、

「ネネ…?」 手ガタガタ!

「ネネ…お前…」

「違う…絶対…みんなで…逃げられる…」 ネネ、顔下!

ふと、眠る人たちの腰に信号弾!

「星間さん、これどう!?」 一本グイッ!

「蓋外して底叩けば光る。」

「でも何に!?」

「残りは…お願い!」 俺、数本ガバッ!

ダッ!

ゴロゴロッ!

…………

「蓮!?」

「何やってんだ!?」

「戻れよ!!」

「戻って…早く…」 ネネ、弱くトントン!

……

「誰か聞こえるか!?」 無線!

「Aegis 3号! カイジュウ確認! 1分で衝突!」

「最速で離れろ!」

「了解! 全力離脱!」

「先生、アイツ…蓮を…見捨てられない!!」 ネネ、涙ポロポロ!

「先生!!!」

誰も答えねえ!

「ごめん、石川さん…時間切れだ。」 レイナ、目逸らす!

…………..

パッ!

パッ!パッ!

「オオオオオイ!!!」 俺、両手ブンブン!

「こっちだよ、ノロマ岩!」

ゴォォ…

「ようやくこっち見たか!」

ヴォオオオオオ!!

「おっ、見た見た!」 耳ペタン!

キャッ!

タタッ、タタッ!ドドッ、ドドッ!

ゴォォン…ゴォォン…

「デカいだけで終わりか、岩野郎!」

ズルッ——ガクッ!

「クソ! なんで今!」 俺、瓦礫にガクッ!

….

ギュオオオオォォォォ……!

「もしかして…俺の終わりか…」 緑の光が口から! 体ガクガク!

「嫌だ…嫌だ…嫌だ…」

「死にたくねえ…こんなとこで…」

「ハル…田中さん…先生…星間さん…」

「ネネ…」

「誰か…助けて…誰でも…!」

「助けてくれぇぇ!!」 俺、両手で目ガード!

…..

ズシッ…ズシンッ…

….

ヴォオオオオオ!!

……

ギィィィン!!

……

巨大ドリルが光ビリビリ分割!

俺、グイッ顔上げる!

頭上、黒光りメカ! 黄金ラインがビカビカ!

……

「下の坊や、大丈夫か!?」

「俺…俺…!」

「大丈夫です!」 俺、両手ブンブン!

「なら今すぐ走れ! このカイジュウは俺たちが片付ける!」

「は、はい!!」 俺、フラフラ立ち、ダーッ!

………………………………………………

「主さん、今日一番の厄介者だな。」

「でも運が悪かったな、俺たちに当たっちまって。」

「主さん、自惚れすぎ。勝率高いけど絶対じゃねえ。特に前2体のダメージで。」

「でも勝率はあるだろ、アタメ?」

「はい、40%超えてます。」

「それで十分。パーティー開始だ、アタメ!」

「了解! アナラクノール、全システム起動!」

「開戦。」


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