混沌の灰燼より
ウー! ウー! ウー! ウーー! ウーー! ウーー!
ガウ! ガウ! ガウ!
「早く逃げろ!」
「何だよ!? 一体何!?」
「あいつらから離れろ!」
「助けて! 誰か……お願い……!」
「うあああ!!!」
海からドバッと出てきた奴ら、白い鎧に身を包み、体に変な渦巻き模様があって、武器を振り回して周りの人間をガンガン攻撃し始める。手に持った槍で、まるで何の障害もねえみたいに家々を突き進む。
「シノミ! 下がれ!」
「何!?」 俺、急いでシノミを地面に押し倒して、そいつの攻撃をかわす。
青い光の連射がバンバン飛んできて、道にあるもの全部を吹っ飛ばす。
「シノミ、大丈夫か!?」
「大丈夫。ありがと。でも、さっきのは何!?」
「知らねえよ。」 俺、振り返ってそっちを見る。
「それ……銃!?」
でも、軍隊でよく見る銃じゃねえ。こいつらの武器、壁をバキバキにぶっ壊す、めっちゃ簡単そうに。残るのは瓦礫の山とモクモクの煙だけ。んで、特に、銃に光る青い線って何だよ。まるでエネルギーみたいだ。
「落ち着いてください!」
「落ち着いてください!」
「お願い……!」
周りで修理や片付けしてたロボットたちが、破壊を止めようと出てくる。でも、相手は人間じゃねえ。ロボットたち、白い鎧の軍団に一瞬で全部ぶっ倒される。
「ハル! 早く! ここから逃げなきゃ!」 シノミ、立ち上がると同時に俺をグイッと引っ張って、周りなんか気にせず全力で走る。
たった数分前まで静かだったこの場所、今はパニックの恐怖が全部を飲み込む。俺たち、ただ走る、走る、どこに逃げりゃいいか分かんねえのに、走る。
「シノミ! ちょっと待て! 少し……ゆっくりしろ……!」
「ダメ! ハルが巻き込まれるの、嫌なんだから!」
「巻き込まれるって何だよ!? 俺たちも、ここにいる全員も、もう巻き込まれてんだろ!? 蓮は? ケイは? 石川さんは!?」
シノミ、だんだん足を緩める。手、ギュッと強く握って、体がガクガク震えて、顔を下に。
「じゃあ、俺に何しろって!? 俺……俺、もう二度と……あんなこと、繰り返したくねえ……!」
「シノミ、何だよそれ? もしそんなことが前にあったなら、俺が今ここに立ってられるわけねえだろ?」
「ほら、俺、ここにいる。どこにも行かねえよ。だから、まず落ち着こう。こうやって無我夢中で逃げるの、いいアイデアじゃねえ。特に、あいつらがこんなにウジャウジャ出てきてるのに。」
「じゃ、今何すりゃいい!?」 シノミ、顔を上げて、涙でウルウルの目で俺を見る。
「まず、海から離れる方向に逃げなきゃ。あいつら、今まだ海岸近くで暴れてるから、今のうちに動くしかねえ。」
「じゃあなんで俺を止めた!? ハルを引っ張って逃げようとしたのに!」
「だってその方向、海から離れねえんだよ。行き止まりだろ。」
「じゃ、小林さんやネネちゃん、ケイちゃんはどうなる!?」
「多分、もうそこに着いてる! 石川さんなら、この状況で唯一の道が分かってるはずだ。」
「じゃ、急がなきゃ!」 シノミ、言葉終わると同時に、俺をグイグイ引っ張って、街の西に向かって全力ダッシュ。
パニックの叫び声の中、俺たち、走る、走る、ひたすら走る。そしたら、小さな泣き声が聞こえる。倒れたビルとモクモクの煙の間から。
「ママ! ママ、起きてよ!」
「ママ……ママ……」
本能みたいに、俺、シノミの手を振りほどいて、その泣き声のとこにダッシュ。
「ハル! どこ行くんだ!?」 シノミ、俺の手が離れた瞬間、すぐ後ろに付いてくる。
「見えた!」 煙の中、小さな影がチラチラ見える。
「子供!?」
「坊主、こんなとこで何してんだ!? 俺たちと来い! ここ、ヤバいぞ!」 俺、小さな手をガシッと掴む。
「ママを助けて!」 デカい泣き声と一緒に、ガクガク震える手が俺を掴む。
「ママ、あそこにいる! お兄ちゃん、お姉ちゃん、助けて!」
俺、試しに瓦礫の屋根をひっくり返す。そしたら、女の人が下敷きになってる。血がドバドバ流れ出してる。
俺、必死で瓦礫をどかして助けようとする。でも、その女の人の手、俺をギュッと掴んで、弱々しい声で言う。
「お願い……この子を……連れてって……私の子を……お願い!」
「早く……あいつらが来る前に……!」
「ハル! 早く行こう! あいつら、来てるぞ!」
「ママ!」
「分かった! シノミ、この子を連れて逃げて!」
「でも、ハルは!? ここで死ぬ気!?」
「バカバカしいって分かってる。でも、この子を母なしで育てるなんて、俺、できねえ!」
「ハル……お前、まさか……そのせいで……」
「いいよ、もし助けるなら、二人でやる。だって、約束したよな!」 シノミ、俺の横に来て、瓦礫の破片をガシガシどかし始める。
「お前、そんなことしなくていい! 先に逃げろ! 自分を守れよ。お前、ここにいる理由ねえだろ!」
「ハルだって同じだろ! 昔の家庭の事情があるから、この子を母なしで育てるなんて嫌なんだろ。」
「でもこれは俺のわがままだ! お前が巻き込まれる必要ねえ!」
「これ、俺のわがままだよ! 覚えてるか? 一緒にいるって約束したろ。ハルが俺のそばにいるだけじゃねえ、俺もハルのそばにいるんだ。」
「やっぱりここにいた! マジ、こんな時にイチャイチャすんの、タイミング最悪だろ!」 ため息混じりの声。
「蓮!?」
「お前、ここで何してんだよ!?」
「だって、お前らがそこにいなかったから! めっちゃ心配したんだからな!」
「ネネちゃんとケイちゃんは? 一緒か?」
「あの二人? 避難ポイントで待ってるよ!」
「それより、蓮、手伝え! この人……!」
「言わなくても分かる! 瓦礫どかして、この人を運ぶだけだろ!」
「頭、いつもこれくらいキレッキレだったら、ネネちゃん喜ぶだろうな?」
「おい! 勉強と災害は別だろ! 一緒にすんなよ。」
三人でガシガシ頑張って、なんとか女の人を救出。息、弱えけど、まだ希望はあんぞ。
「俺、左! お前、右!」
「うん!」
「坊主は、タナカさん、頼んだぞ。」
「よし、ママも無事だ! みんな、一緒に行こう!」
「うん!!!」 子供、ニコッと笑って、俺たちと一緒に避難ポイントへ。
「お前ら……こんなこと……する必要ねえ……」
「俺たち……知り合いでもねえのに……」
「私を連れてくの……足手まといにしかならねえ……」
「何!? ここで死んだら、この子を誰が育てる!? 知らねえ奴に期待するより、自分でそばにいてやれよ!」
「つか、人を助けるのに、理由なんかいらねえだろ? な、ハル?」
「ネネちゃんが聞いたら、めっちゃ誇らしげだろ? スポーツバカの頭でこんなこと考えられるなんてな。な、ハル?」 シノミ、俺と蓮にニヤッと笑う。
「絶対ネネに言うなよ! アイツが知ったら、学校で前みたいにグチグチ言いまくるぞ!」 蓮、ため息ついて、ビビりとトラウマが顔に出る。
「お前、あの突然高得点の作文のことか? 何ビビってんだよ。」
「経験してねえから分かんねえんだよ! ネネ、あの答案引っ張り出して、俺が点低い時、デカい声で読み上げるんだぞ! しかも何度も!」
「それに、アイツまだ……」
蓮、言葉終わらねえうちに、ドカン! 近くのビルに槍がぶっ刺さって、壁がバキバキに崩れる。
「来たぞ! こんな早く来るとは!」
そいつらの真ん中に、他の奴らと全然違う貝殻模様の鎧着た奴が、俺たちを指差す。
「これ、逃げろってサインだろ、ハル?」
「そのサイン……まさか……みんな! 伏せろ!」
言葉終わらねえうちに、連射の弾がバンバン飛んできて、周りの壁全部ぶっ壊す。木々がブッ刺され、煙がモクモク上がる。
「みんな、大丈夫!? 蓮? シノミ?」
「まぁ……多分大丈夫……」
「俺、大丈夫。でも、これからどうすんだ、ハル?」
迷ってる間に、白い鎧の奴が急に突っ込んでくる。手にガッチリ持った槍、まるで俺たち全員ぶっ殺す気満々。
ドカン!!!
いきなり強烈な一撃で、白い鎧の奴が地面に叩きつけられる。瓦礫がバンバン飛び散る。そいつの上に、めっちゃ聞き慣れた声。
「困った時は俺に相談しろって言ったろ。」
「クロガネさん!!」
「説明いらねえ。避難ポイントに急げ。ここは俺が何とかする。」 クロガネさん、俺たち見て、全部分かってるみたいな目。
「でも、クロガネさん、そいつら普通じゃねえんだ! たった一人でどうすんだ!?」
「ま、普通ならキツいな。でも、相棒がここにいる。」 クロガネさん、鋼のガントレット握りしめる。そいつ、黄色いラインが走ってて、白い鎧の奴らと全然違う。んで、紋章がある—翼、大きな円、真ん中に星。
「だから、さっさと行け、ガキ共! あの女たち、長くは持たねえぞ!」
「はい!」
俺たち、全力ダッシュで避難ポイントに向かう。クロガネさんを、白い鎧の奴らと置き去りに。
「さて、ガキ共も行ったな。」
「待ちくたびれたぜ、お前ら。」
「まとめてかかってこい、シーフード共!」
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