小学校を卒業した僕と璃子は、中学、高校と同じ学舎に通った。
けれど、再び同じクラスになることはなかった。
廊下ですれ違うたび、僕は無意識に璃子の横顔を探している。
ただ、彼女には他校に通うかつての同級生と付き合っている噂があった。
だから僕にとって、いつだって璃子は高嶺の花だった。
中学一年の秋、運動会に備えて学年競技のフォーク・ダンスを練習する機会が訪れる。
ワックスの匂いがこもる体育館に、ぎこちないステップの音と、あちこちから漏れる笑い声が響く。
男女が一列に並び、順番に相手を変えていく中で、璃子が僕の目の前に現れた。
♫ You are here and warm, but I could look away and you’d be gone