第7話 売ったらバレた。ギルドにマークされました その1
「では、まずお名前からお聞かせいただけますか?」
「た、田中陽斗です」
俺は緊張で声が少し震えた。目の前の受付嬢が、予想以上に美人すぎるせいだ。
金色の髪、透き通るような青い瞳、整った顔立ち。そして何より、その立ち居振る舞いには凛とした気品がある。まるで雪国の貴族令嬢みたいな雰囲気だ。
「タナカ……ヒナト様ですね。珍しいお名前ですね」
「あ、はい……そ、そうですね」
やばい。緊張しすぎて変な返事になった。
「それから、ご職業は?」
「ポーション職人……です」
瞬間、受付嬢の手が止まった。
「……ポーション、職人?」
「はい」
彼女は驚いたように、俺の顔を見つめた。その視線が真剣で、思わずドキッとする。
「本当に……ですか?」
「ほ、ヒャい!」
声が裏返った。最悪だ。
受付嬢は少し驚いた顔をしたが、すぐに柔らかい笑顔に戻った。
「あ、あの……本当です」
俺は慌ててベルトからポーションを取り出し、カウンターに置いた。
受付嬢は瓶を手に取り、じっくりと観察した。光にかざし、液体の色や透明度を確認している。
「これは……素晴らしい品質です。透明度が高く、不純物が一切見られません。Eランクポーションでこの品質は、めったにお目にかかれません」
「そ、そうなんですか?」
「はい。私、ギルドで三年働いていますが、こんなに綺麗なポーションは初めて見ました」
受付嬢は目を輝かせている。その表情を見て、俺は少し安心した。
「では、ヒナト様。こちらのポーションを査定に出させていただいてもよろしいですか? 同時に、身分証の発行手続きも進めさせていただきます」
「はい、お願いします」
「承知しました。少々お待ちください」
受付嬢は奥へと消えていった。
俺は待合スペースの椅子に座り、深呼吸をした。
「やっぱり美人に弱いな、俺……」
一人になったことで、ようやく冷静さを取り戻す。というか、声が裏返ったのは恥ずかしすぎる。
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