ダークなダンジョン配信ものです。
主人公アリサは、「自分が死ぬところを最後まで撮ってほしい」という友人の願いを聞いて以降、ダンジョン内にひとり、配信者として潜って、人の死を撮り続けます。
ちょっと戦場カメラマンに似てます。
或いは、動物番組を撮影しているような。
このレビュー表現もいかがなものかと思いますが、動物の捕食シーン撮影するのと、人間がダンジョンでモンスターに食われるシーン撮影するのとどう違うの?とか。
「それ倫理観の問題だよね」というのの是非と葛藤、他人からの評価に心揺さぶられる作品だと思います。
今、書いている作品では、書いているうちに魅力的になってしまった登場人物がちょいちょい死んでいきます。
「この人の役割終わったなぁ」と思ったら、「さぁ、どう退場させようか」と悩んで、印象深く亡くなるまでの設定と展開をつくっているのにちょっと似ていて、共感しました。
んー……
リアルでいうと野暮なんですが「映画みたいな映像」というのを仕事でつくるとなると、個人的にはテーマは?コンセプトは?とか、やはり気になるので。
ライブ配信はできないかもねとは感じたりはします。
自分なら100%しませんし、できません。
その映像で、伝えたいメッセージがいかに強く出るか?ってのがあって、構図もですが、視点とか、色味とか、台詞とか、ブレ感とか、いろいろ全部変わると思いますんで。
ライブ配信のよさは、やはりライブ感とインタラクティブなところなんじゃないかなぁとは感じるので、つくりものには合わないかなと。
創作内のことにマジレスしてすみません。
でも、マジレスしたくなるほど、感情移入できる作品なのは間違いありません。
おもしろいです。
テーマは流行りの「ダンジョン」×「配信」……なのですが、テンプレに寄り掛かった作品とは一線を画してますね。
「なぜこの展開になるのか」「なぜキャラクターがこう動くのか」といった部分を丁寧に摘み上げた結果のストーリー展開で、納得感があってするっと物語が入ってきます。
配信者であるがゆえに、安全よりも盛り上がりを選んでしまう判断や、視聴者コメントが行動を後押しする構造が自然で、展開に無理がありません。
設定や流行に頼らず、キャラクターの選択と状況の積み重ねで物語を前に進めているため、導入から安心して読めました。
この先、彼女たちがその選択の先で何を失い、何を得るのか、続きを素直に追いたくなる作品だと思います。
親友の死を配信したことで一躍有名になるというあらすじに心惹かれて、一気に読み進めてしまいました。
配信のためなら他人の死だけでなく、自分の死に際さえも素材として扱う主人公の狂気。
作中で流れる誹謗中傷や軽いコメントにリアリティがあって、読んでいると胸がキュッと締め付けられました。
批判にせよ賞賛にせよ、ノーリスクで他人の死を消費して楽しむ視聴者たちも、アリサと同じか、それ以上に残酷です。
有名になったがゆえに取り憑かれてしまうアリサも、刺激的なものを求めて群がる視聴者も、どちらもきっと誰の心にも宿りうる狂気だからこそ惹かれるのかもしれません。
アリサもルーシーと同じように配信に命と魂を捧げ、その名を刻むのか。それとも別の道を辿るのか。彼女がこれからどうなってしまうのか続きが気になります!
ダンジョン配信もの、というジャンル自体は珍しくなのかもしれません。
しかし、本作は最初から「見せる覚悟」が違います。
配信画面・コメント欄・視聴者数といった要素が物語の装飾ではなく、物語そのものとして機能していて、読者は自然と“見る側”の立場に引きずり込まれます。
気づいたら、画面の向こうを覗き込んでいる一人になっている感覚があって、事件がおきた時はなんだか居心地が悪い。
でも、その居心地の悪さこそが、この作品の強さだと思いました。
目が離せないんですよね。
登場人物たちは特別な英雄ではなく、ごく普通の大学生配信者です。
だからこそ、軽い判断、慢心、視聴者の反応への意識がすごく現実的で、「これは起き得る」と思ってしまうのが怖い。
ダンジョンの“自由”という設定も、便利な言葉でありながら、実は残酷な自己責任の裏返しだとじわじわ効いてきます。
命の危機と数字の高揚が同時進行する描写。
本来なら相容れないはずのものが、同じ画面に映ってしまうことで、読者の倫理観を揺さぶってきます。
まだ序盤にも関わらず、読後のインパクトは強烈です。(第6話まで読了)
「おすすめに出てきたから」という理由で読んでも、きっと忘れられない作品になると思います。
ダンジョン×配信というジャンルが好きな人には、ぜひぜひチェックしてほしいです。
人の死を配信する背徳感が見どころです。
この作品を見るまで私は正常な人間だと思っていましたが、考えを改めなくてはならないかもしれません。
画面の向こうで人が死ぬかも……そんな配信から目が離せなくなります。
ですが配信する主人公は決して狂人ではなく、配信するに至る理由にも納得がいきます。
もしかしたらこの考えそのものが実は正常ではないのかもしれませんが……。
このように倫理観と背徳感の板挟みにあいながら、いつの間にか読破していました。
ここでしか味わえない正気と狂気の境界に立たされる感覚。
試しに一度、足を運んでみることをお勧めします。
数十年前、世界各地に突如現れた「ダンジョン」。
法も秩序も及ばない無法地帯で、人々は魔物を狩り、素材を換金し、
そして――その様子を「配信」する。
大学生の巳継アリサと、銀髪の美女ルーシーは、
探索と配信を両立する「ダンジョン配信者」だ。
危険を承知で潜る理由は、金か、名声か、それともただの承認欲求か。
今日も二人は、新宿ダンジョンへ向かう。
「初心者でもできる第3層攻略」という、無難で安全な企画のはずだった。
だが、視聴者のコメント、
偶然映り込んだ「黒い扉」、
そして「撮れ高」を求める心が、
二人を決して踏み込んではいけない場所へ導いていく。
そこに待っていたのは、
本来、深層にしか存在しないはずの「ドラゴン」。
逃げるか、戦うか。
生き残るか、魅せるか。
配信は続き、コメントは流れ、
命は数字に変換されていく。
これは、
「自由」という名の自己責任と、
カメラの向こうの無数の視線に晒された、
二人の少女の「選択」を描く物語。