第2話

そもそも、何故私がこの当て馬ポジションに目覚めたかだ。



それは偶然だった。


小学生の頃、仲のいい友達同士の子が居た。


私は途中からその中に入った感じだった。


そこで1人の子が私に嫉妬した。


「ユカちゃん、こないだ莉愛ちゃんと2人だけで遊んでたよね!?何で私は呼ばれてないの!?」


別日にもう片方の子と2人で遊んだ。


「マナちゃん!何で莉愛ちゃんとだけで遊んでるの!?」


私のせいで、私を中心にして、あれだけ仲の良かった2人が揉めている…

凄く気分が良かった。


まあこの後拗れると面倒だから段々2人からはフェードアウトしたけど…


この経験は強烈に快感として頭に刻まれた。




段々年齢が上がって、友達関係ではなく周りの恋愛に首を突っ込むとそれを上回る修羅場が繰り広げられた。

楽しくて仕方なかった。


一度カッターで襲われそうになって、ある程度の度合いや距離感等を徐々に学んで行った。



選ぶ相手も一途なキャラや本気になりやすいクソ真面目な奴はダメだ。

ただ体の関係にもなる事が有るのでやっぱイケメンがいい。


まあ、チャラいキャラなら大概はそれなりにイケメンだ。

下手したら学年、学校1だったりする。



そして上手く取り巻きに潜り込めても、あくまで当て馬として、主人公2人から注目されなければならない。


その他大勢の取り巻きより少しだけ重要ポジション。

漫画で言えば名前までは割り当てられなくても顔は描いてもらえる位には最低有りたい。





そして主人公2人の仲を引っ掻き回すにはそれなりに努力も必要だ。


手始めにヒロインに戦線布告をする。

やり方は色々だが、主人公にヒロインの前で必要以上にくっ付いたり「この間はすっごかった…ね…」なんてエロい妄想しそうなセリフを思わせぶりに言ってやったりする。


幅広く交友関係を作っておいて、2人の行動範囲や生活パターン等を把握しておく。


普段何気ないフリをしてスマホのパスコードを盗み見て覚えて、自分と相手と2人きりの時にこっそり睡眠薬を混ぜた飲み物を飲ませて、深く眠らせてスマホを開き位置情報アプリを入れて同期させておく。

これは2人にそれぞれ施しておく。

LINEのやり取りをチェックして進捗具合を確かめる。


仕上げに男の方は上半身の服を脱がせて抱きついていかにも情事の後の様なツーショット写真を撮っておく。

まあ実際エッチまで行ければ偽装工作しなくてもう少し楽だけど。


女の方ともそこそこ仲良くなっておいてインスタ交換しておく。

ストーリーに誤爆を装って情事後ツーショット写真を上げて女が既読したのを確認して消す。


位置情報で監視して、2人が会ってそうな場所が有ったら偶然を装って邪魔に入る。


これはまだ一部だが、それなりに労力は使っている。

下手したら犯罪スレスレ…

いいストーカーになれる自信はある。


知力、体力、人脈と自分磨きの努力。


これらが集まって漸く私の当て馬としての最高の舞台が整うのだ。




さてさて、今回の岩見先輩はどうなるのかな。

何とか取り巻き迄は潜り込めたけど、肝心のお相手の詳細がイマイチ不明だ。


ただ、情報によるといつもと様子が変わってきてるらしく、周りの女の勘で気になってる人がいるらしいとの報告は届いている。

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