第11話

同じ頃、プランテーションの跡地。

焼け跡の中で、監督官長が部下に命じていた。


「——犬を放て! 残り二人を見つけ出せ!」

「はっ!」


追跡犬が、奴隷小屋の跡から匂いを嗅ぎ始める。

だが——


「……おかしい。犬が混乱しています」

「何?」


監督官長が眉をひそめる。


「匂いが追えないのか?」

「はい。タバコの匂いが強すぎて……」

「ちっ……賢い奴らだ」


監督官長は舌打ちした。

その時、一人の部下が駆け寄ってくる。


「報告! ドライバーの遺体を発見しました!」

「……ドライバーが殺られた?」


監督官長は驚愕した。

ドライバーは、この地域で最も腕の立つ戦士だった。それが、犯罪奴隷二人に殺された。


「奴らは、ただの奴隷じゃない……」


監督官長は、西の空を睨んだ。


「パトロールに連絡しろ。ダークエルフとフォックスマンの特徴を伝えろ。賞金は——」


彼は、懐から金貨の袋を取り出す。


「——一人につき、金貨十枚だ」

「了解!」


部下たちが散っていく。

監督官長は、焼け跡を見つめながら呟いた。


「逃がすものか……」

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