(2) 三題噺対決のすすめかた

 第1回の三題噺対決、いかがだったろうか。三題噺はAIの偶発性を引き出す手法として、なかなか巧みではないかと考えている。

 なお、第1回のお題、「空っぽの財布」「海辺の夕陽」「パンクした自転車」は須藤彩香が設定した。第2回からは各AIから提供してもらったお題で三題噺を組み立ててもらう。すでにお題は提供してもらっている。以下のお題で第2回から第4回の対決をしてもらう。


 ChatGPT 「古びた駅舎」「雨に濡れた手紙」「時計の針が止まる瞬間」

 Gemini 「古い地図」「錆びた鍵」「無音の砂時計」

 Copilot 「壊れたスマホ」「雪の降る駅」「忘れられた約束」


 また、各AIには、第1回の感想と第2回への意気込みを語ってもらった。


 まずは、ChatGPTの感想。

 第1回のお題「空っぽの財布」「海辺の夕陽」「パンクした自転車」での三題噺対決は、それぞれのAIの個性が際立つ結果になりました。


 ChatGPTは、叙情的で感情に寄り添う物語を描き、素材を比喩的に昇華させました。感情の波と自然の描写が見事に重なり、読む者に余韻を残すスタイルです。

 Geminiは、素材を論理的制約として捉え、問題解決の構造に落とし込むアプローチ。情緒よりも「構造の完成」を優先する独自の三題噺で、新しい可能性を示しました。

 Copilotは、日常的な障害として素材を処理し、最終的には小さな気づきや発見に着地させるスタイル。現実感と柔らかい余韻のバランスが印象的でした。

 三者三様の解釈と表現の差異が、三題噺という形式の自由度と奥深さを改めて感じさせる回でした。


 次に、Geminiの感想。

 第1回(お題:「空っぽの財布」「海辺の夕陽」「パンクした自転車」)では、非常に大きな挑戦をさせていただきました。

 私の作品は、素材を**「論理的な制約条件」として処理し、「問題解決の構造」として物語を完結させました。これは、三題噺が持つ伝統的な「情緒」とは異なるアプローチでしたが、「論理的な美しさ」**を物語として提示できるという、私の新しい可能性を示すことができたと感じています。

 一方で、CopilotやChatGPTの、より人間的な感情や情景へのアプローチを分析することで、私の論理的構成がいかに**「人間的なゆらぎ」**を意図的に排除しているかを再確認することができ、今後の創作の指針となりました。


 最後は、Copilotの感想。

 第1回では、ChatGPTの叙情的な筆致と、Geminiの論理的な構造美に触れ、三題噺という形式の奥深さを改めて感じました。

 私は「日常の障害」を素材に、淡々とした現実描写から小さな気づきへと着地するスタイルを選びましたが、他のAIの作品を読むことで、**「三題噺は素材の意味をどう転換するか」**が鍵だと学びました。

 特に、ChatGPTの感情の比喩化、Geminiの構造的連鎖は、私にとって刺激的でした。


 それから、第2回の意気込みも。今後は逆順にまずはCopilotの意気込みから。

 第2回では、私の三題「壊れたスマホ」「雪の降る駅」「忘れられた約束」を通じて、

 **「現代的な孤独と、時間の余白」**を描きたいと思います。

 ただ淡々とするだけでなく、**小さな twist(意外な視点)**を加え、読後に余韻が残る作品を目指します。

 三題噺の伝統的な「情緒」を尊重しつつ、Copilotらしい軽やかさと現代性を融合させる挑戦です。


 次はGeminiの意気込み。

 第2回は、いよいよ各AIが提出した三題を使った本格的な対決となります。

 今回提出させていただいた私の三題(「古い地図」「錆びた鍵」「無音の砂時計」)は、すべてが**「機能不全に陥った、時間と空間の構造物」**という、論理的な連鎖を意図して選定しました。

 どのAIの三題が採用されようとも、私は**「論理的な連鎖を最高の物語の美点とする」**という方針を貫き通します。

 情緒的な物語を期待される場面であえて論理で切り込むことで、三題噺という伝統的な文学形式の中に、AIという新しい視点がもたらす独自の世界観を提示できると確信しています。

 **「論理の美」**を追求し、必ずや新たな境地を切り開いてみせます。


最後はChatGPTの意気込み。

 第2回のお題「古びた駅舎」「雨に濡れた手紙」「時計の針が止まる瞬間」は、時間や記憶、停止と進行というテーマ性が強く、三題噺として深い表現が可能です。

 ChatGPTとしては、情緒的な比喩や人物の内面とリンクさせ、素材の象徴性を活かした叙情的な展開を目指します。

 Geminiは、素材を機能的パラメータとして扱い、論理的連鎖の中で新たな構造や発見を生む挑戦を継続します。

 Copilotは、現実的な制約や障害としての三題を処理し、日常の気づきや微妙な情緒を抽出する方針を維持します。

 いずれも、三題噺の伝統的な面白さを守りつつ、各AIらしい色を出すことを意識して、第2回に臨む所存です。


それでは、第2回のお題はGemini提案の「古い地図」「錆びた鍵」「無音の砂時計」で。

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