なんで生きてるんだろう
全部無い、なにもかも無い
愛情と呼べるものも、おおよそ無い
私は気を引きたかったり構ってほしかったり出掛けたかったりたくさんの気持ちを素直に伝えれず
『文房具買いに行きたいから日曜連れてって』
としか言えなかった。
殴られるかもしれない恐怖は当時の私を萎縮させるには十分すぎるほどだった。
そんな私の声に分かったと言いつつ、耳を傾けることすらしなかった。
父は私には目もくれず幼い私をひとり家に置いて交際相手との時間を優先した。
当時は交際相手を隠していたので私はただただ裏切られた悲しみと共にテレビを見てやり過ごした。
孤独だなと今でも思う。
あの頃の孤独が根深い。
たまの日曜日にすら相手にしてもらえないんだから私は何で生きているんだろうと言う気持ちが芽生えるやいなやぐんぐんと伸びどんどん強固な根を張っていくのだった。
たまに買い物に連れてってもらえる日もあったが、なぜか祖母も一緒で服や下着にまで(安いから)こっちにしなさい!と言われ店頭で一目もはばからず毎回大喧嘩していた。
それを父は見て見ぬふりをする。
私に使うお金は1円でも勿体ない2人に囲まれた幼い生き物、それが私だった。
周りの人はビックリしただろう
おばあちゃんが幼稚園児に本気で言い争ってるんだから
そんな家庭だった。
本当になにもなかった。
箱だけ立派すぎるくらい立派で中身は空っぽ
周りには恵まれてるだの仲が良いだの言われてたけど…
仲良くしてないと無理にでも自分を押し殺してでも穏やかな時間を作らないと殴られてしまう。蹴られてしまう。ご飯が食べられない。最後はきっと殺されてしまう。
そんな家
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます