この作品は「色」と「心」を静かに重ね合わせる、とても繊細な詩です。
柔らかい語感で紡がれる言葉たちは、景色の描写以上に“感情の移ろい”そのものを映し出しており、読んでいる側にも自然と呼吸のリズムを生みます。
特に印象的なのは、感情を“色”として捉える視点の美しさです。
喜び・切なさ・温かさ――そのどれもが過剰な説明に頼らず、ふと漂うように表れるため、読後に静かな余韻が残ります。
奇抜な原色の鳥から、モノクロの風まで。
外の世界の色と内なる心の色が対比される構成が巧みで、短い詩の中に“心の温度変化”が丁寧に宿っています。
やわらかく、あたたかく、そっと寄り添うような詩。
読むたびに、少しだけ優しい気持ちになれる作品です。