第13話 錬金スキルについて。

錬金術ーーー


錬金術、この世界ではある意味で最強だ。

錬金術のスキルは分解、再構築、錬成の3つ。そして錬金術師は、職業の中で少し特殊だ。

錬金術師は上位職業にあたり、回復ポーション、マナポーション、解毒薬などを作るには必ず錬金術が必要になること。

分解、再構築、錬成が3つ揃って錬金術師と名乗ることが許される。スキルを3つ持つこと自体が稀なのに、錬金術に関するスキルを3つも持つなどもっと稀だ。

俺が盗賊団討伐の依頼を引き受けようと思ったのは、マルク達のこともあるが錬金術のスキルを奪い取れれば俺の活動領域が広がる。ニヤリと笑みが浮かびそうになり、顔を繕う。


盗賊団の討伐をすると言った俺を村長達は呆然としながら俺を見て、村長は言う。

「私達にはお金も何もないですし、支払えません。」

「金はいらん。」

「村をご覧になられたなら分かるかと思いますが、目星しいものも、何もありませんよ?」

「金ではなく、俺はマルクとルルカの母親を助けようとした行動に胸を打たれたのだ。俺が帰ってきたらマルクとルルカ、母親にめいっぱい飯を食わせ、世話をしてやれ。」といい、その場を後にし、部屋に戻る。装備を整え、ポーション等を確認し、ストレージに入れ込む。するとドアをノックする音が聞こえ、返事をする。

「あんちゃん…俺も、連れて行ってください!」

「無理だ。」と即答する。

「俺の父さん、父さんを殺したのはハバルって奴なんだろ……?父さんが死んだのは流行病じゃなかった。嘘だったんだ、全て。」

「俺は、父さんの仇を討ちたい。俺の命をかけて。」と言われ、俺はため息を吐き、口を開く。

「まず、最初に言ったが俺は君を連れていくことはしない。」と伝える。「なんでだよ!」と怒鳴られる。瞳には燃えるような憎悪と悲しみ、苦しみが映っている。

「君が命をかけて復讐しても意味が無い。」というとマルクは俺に怒鳴る。

「アンタなんかに、何がわかるんだよ!俺の何が!!」と言われ、頭に血が上るのを抑えて俺は言う。「君が復讐したとて、父親は帰ってこないし、君がそんな感じではルルカや母親まで失うぞ。それでいいのか?」といい、更に続ける。

「俺が必ず倒せるかは分からない。ただ君が居れば母親だって、ルルカだって安心するだろう。何かあれば家族で逃げれるだろう。今からやるのは戦いだが、戦いではない。殺し合い、だ。」といい、少し殺気を出し、凄む。するとマルクはビクッとし、体を縮める。去り際にマルクにいう。

「お前の親父さんの仇は取ってきてやる。あと事は任せたぞ。」といい、剣を持ち外にでて、ペルカ達がいる洞窟に向かう。


「錬金スキルを強奪スキルで奪ってやる。」

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