対「視怪」報告書十一 怪幻院までの道順(データ復旧版)

報告者:キタジマケント

報告日:2021年7月29日


 破損ファイルのデータ復旧に成功した。保存のため以下に内容を記録する。専門的用語については、後の調査で判明した内容をまとめたので注記を参照。

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「怪幻院」香川県■■市から裏■■市までの道順


はじめに


 当手順は異界禁踏イカイキントウ(※1)の一種であるため、手順を飛ばしたり、不完全な手順を踏んでしまった際に発生するいかなる不都合も、実行者の自己責任として処理いたしますのでご注意ください。また、当手順は呪術的な儀式を一切使用せず、成功の可否はすべて実行者の「正式な手順を踏んだかどうか」にのみ左右されます。万が一の事故の際も、実行者以外には特に影響はございませんのでご安心ください。


手順一 必需品


 今回の異界禁踏は、「鏡道不和キョウドウフワ(※2)」と呼ばれるものを少し改変した手順で行います。以下に手順のための必需品と、その理由を列挙します。


・手鏡

 「鏡道不和」における、界域カイイキ不定化(※3)及び界道カイドウ(※4)の開通に使用。


・人間の羊水 約200ml

 異界からの帰還に使用。今回はこちらでも用意できますが、緊急時のため持参を推奨します。


・銀製の釘

 共界座標キョウカイザヒョウ(※5)の固定化に使用。



手順二 座標指定


 香川県■■市内の一地点を共界座標として指定します。予め座標を決めておき、開通予定場所に銀製の釘を刺しておきます。一度刺したら刺した人間は直ちにその場から離れ、その地点から半径10m以内に生物が存在しない状態を深夜二時まで保ってください。深夜二時を超えたら釘を抜き、代わりにそこに手鏡を差し込みます。以上で座標の指定が完了です。銀製の釘はこの後も使用するため破棄せず手元に保管しておいてください。



手順三 開門


 深夜二時から三時までの間に手鏡に触れることで開門します。香川県■■市内であれば、開門前の座標がどこであろうと開門後の座標は「怪幻院」前に指定されます。「怪幻院」が存在するこの場所を、裏■■市と呼称しています。手鏡を抜いてしまうと座標の固定化が解除されてしまうため抜かないようお願いします。



手順四 怪幻院へ


 正門を抜け、守衛所の花原カハラに「怪幻院まで、〇名」と伝えてください。いくつかの質問の後、案内役の桃瀬モモセが参りますので指示に従ってください。



帰還方法


 手鏡に人間の羊水を上から垂らし鏡面に触れることで、開門前の座標に戻されます。その後に手鏡を抜き、代わりにまた銀製の釘をその地点に刺して、二十四時間後に釘を回収します。これで一連の流れは終了です。


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※注記

1)異界へ渡るための手段のこと。そのどれもが一般的に公開されていない禁じられた手段である。


2)異界禁踏の一種。鏡を使って異界との接続を図る、最も一般的な異界禁踏の手段。


3)界域とは、現実世界と異界との境界のこと。その境界を一時的に、人為的に不安定にすることを界域不定化と呼ぶ。


4)異界へ繋がる道のこと。


5)現実世界と異界を繋ぐための座標のこと。


 

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