被害者資料五 永見恵子さんへのインタビュー
以下のインタビューは、「被害者資料一 女児変死事件」での生存者であり永見愛華さんの母親である永見恵子さんを対象に行われたものです。当インタビューが行われた2018年2月17日時点で、恵子さんは未だに記憶喪失の状態が続いていることに留意してください。
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インタビュー日:2018年2月17日
インタビュアー:北島研究員
対象者:永見恵子
北島:それでは音声記録を開始します。初めに、思い出せる範囲で自己紹介をお願いします。
永見:はい。永見恵子と申します。……(16秒間の沈黙)……趣味は読書で、最近読んだ本だと……(13秒間の沈黙)……すみません、題名が思い出せなくて……ミステリー系をよく読んでいました。前にお伝えした通り、家族のことと、事件のこと、あとはどこで働いていたかとか、全部忘れてしまっているんです。
北島:了解です。それでは、こちらから簡単な質問をいくつかさせていただきます。
まず、永見さん自身の生年月日を教えていただけますか?
永見:はい、1982年1月8日です。
北島:ありがとうございます。戸籍情報と一致していますので、生年月日は覚えてらっしゃるようですね。それでは、娘さんとの記憶は思い出せますか? なにか1つだけでも結構です。
(北島研究員はここで永見愛華さんの写真を提示する)
永見:……(20秒間の沈黙)……すみません。やっぱり思い出せないです。
北島:了解です。では次に、こちらの画像を見て何か感じますか?
(北島研究員は鏡の前に立つ女性を映した写真を提示する)
永見:ええっと、特に何も……ちょっと不気味には感じますね。
北島:ありがとうございます。次に、こちらの画像を見て何か感じますか?
(北島研究員は瞳が描かれていないキャラクターイラストを提示する)
永見:うーん。ちょっと趣味が悪いイラストですね。それ以外には特に何もないです。
北島:ありがとうございます。最後に、こちらの画像を見て何か感じますか?
(北島研究員は「うしろを振り返ってください」と書かれた画像を提示する。
直後、永見さんの呼吸が荒くなる)
北島:永見さん? 大丈夫ですか? もし気分が悪くなるようでしたら……
永見:いえ、いえ、大丈夫です。……(48秒間の沈黙、深呼吸)……あの、北島さん、あそこのドア、少し開いてませんか?
北島:ええ……まあ、少し開いてますね。それがどうかしましたか?
永見:愛華がみてる。
これ以降の音声はすべて、赤ん坊の泣き声へと置換されており解析不可能となっていました。
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インタビュー後、永見恵子さんは意識を失い、再度記憶を失いました。インタビュー時の音声を流しましたが、すべて記憶にないとのことでした。
北島研究員は精神鑑定の結果、療養が必要なレベルの症状が発現したため、2か月間の療養を余儀なくされました。
※追記
2018年12月10日、永見恵子さんは精神療養の継続の効果で、長い期間ではありましたが社会復帰するまでに至りました。永見さんとの連絡はこれからも継続しつつ、研究にも協力していただけることに合意していただきました。
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