第二十二話 生成AIつかいの決戦。
ひとまず緑のゆかを素材にして建物を生成し、わたしたちは、そこで休んだ。
「再生成していたアマノの服と
「改めて考えると、イア
「……
「分かってる」
いったん、ねむってから、わたしたちは準備を整えることにした。
「ところでイア太って、わたしのまぼろしも作れる? だったら――」
「――さて、アマノちゃん。君のわがままの答えは出たかな。……お?」
和屋は、リス型のミニシンを右足に乗せ、姿を現した。服装は
「へえ、葉っぱの
周囲を見回す和屋。元は、障害物のなかった空間だったけれど、今では、森が広がっている。木はまばらでもないし密集しすぎてもいない。
加えて、わたしと和屋は、大きく切り立った、がけの上にいる。上から見ると丸い地形であり、その
わたしは和屋をじっと見て言う。
「あなたの思い通りには、しないと決めました」
「ふーん、かたすかし」
こちらを見返し、和屋が目を細める。
「君にねむる願いを、欲を、さらけ出してほしかったのに」
「だいじょうぶですよ。これが、わたしのわがままです。見届けてくれるんでしょう?」
イア太を構え、わたしは唱える。
「リジェネレーティブ」
元の服がちぎれ、ジャケットとスカートが生成される。合わせて体も軽くなる。
「わたしは、和屋さんに感謝しています。『生成
いぶかしげな目を向ける本人に、わたしは、まばたきしてみせる。
「おかげで考えなおしました。わたしが生成AIを一方的に使うのでもなく、生成AIに一方的に使われるのでもない未来――それをわたしは目指します」
和屋の返答を待たず、続ける。
「そんな決意をこめながら、改めて、名乗りを上げさせてください。わたしの名前は
イア太を
一歩をふみ出し、きっと見る。
「生成AIつかいアマノ! 自分の未来を生成するため――」
マイクの頭部を相手に向ける。
「――わたしはあなたを、学びます!」
「いい
「君たちの作った森のフィールドにも乗ってあげよう。アマノちゃんの自己実現を、残さず受け
そう言って和屋は、自分の左手を右手でつかむ。
「じゃあ
続いて、わたしの後ろから、大きなかげが、おおいかぶさる。
同時に、わたしは、イア太にささやく。
果たして
「ぼくは心だけでプロンプトを入力できるって言ったじゃん」
が、葉っぱが巻きついたのは、わたしの
生成された、わたしの
「学習してるね、アマノちゃん。さっき、こそこそイア太に伝えていたのは、人形を生成するプロンプトだったんだ!」
和屋は左手の平の中心を、右の親指で、ぐっと、おす。
すると地面の一部が、無数のツタに早変わりした。
ツタが、わたしにせまる。――わたしは、とっさにイア太に言う。
「このツタたちを素材にして、トンネルを生成」
結果、ツタは、わたしをよけるように方向を変え、長い「てんじょう」と「ゆか」と「かべ」を形成した。そうしてできた、ややせまい通路を走り、わたしは和屋に近づく。
ツタにかくれた相手を見すえて「カメさん!」とさけんだ。
左手で、前方のツタをはらう。しかし、そこにあったのは……和屋の
「――にせものを作るのは、君の
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