誰かの声に身を委ねて眠る夜の安心感が、とても自然な温度で描かれていました。笑いや掛け合いの軽さの奥に、その人の一日や人柄まで思いやる視線があり、やさしさが静かに積み重なっていきます。届かない距離をちゃんと受け入れながら、それでも祈ることはやめない。その姿勢が、読後に残るぬくもりとなって胸に灯る作品でした。