創作に向かう気持ちの揺れや迷いが、とてもまっすぐに描かれていて、読みながら自分の立ち位置を何度も確かめるような感覚になりました。
尊敬する書き手との出会いを通して見えてくるものが、特別な才能ではなく、積み重ねや向き合い方であるところに静かな説得力があります。
原稿用紙の山や、言葉の端々に滲む時間の重みが印象的で、「書く」という行為の地道さや孤独が自然に伝わってきました。
読み進めるほどに、夢や憧れが少しずつ現実の手触りに近づいていく感覚があります。
書くことだけでなく、続けることについても考えさせられる一編でした。