掛け合いのテンポが心地よく、思わず笑ってしまうやり取りの裏に、どこか不器用な寄り添いが感じられる作品でした。逃げや勢いで口にした言葉なのに、ふたりの間に漂う妙な安心感や、肩の力の抜けた居心地の良さが、静かに読み手の心に残ります。軽妙さと温度が同居する語りが、結婚という言葉の重さを少しだけ柔らかくしてくれるような、優しい余韻のある一編でした。