霧と煤煙に包まれたキラースシティを舞台に、心療士ロイドと助手マリーヌが、人知れず「心の檻」と向き合っていく物語です。
依存や完璧主義といったテーマが、どこか現代にも通じるかたちで描かれていて、登場人物たちの苦しさと、そこにそっと差し込むあたたかさがじんわり胸に残ります。
重くなりそうな題材なのに、会話ややり取りにはさりげないユーモアもあって、読み終えたあとには、灰色の空の下に小さな希望の灯りがともるような読書体験でした。
区切りとなる karte01 のタイミングでレビューを書きたかったのですが、
すでに karte02 に入られている時期になってしまい、少し遅れてしまった形になってしまいました・・・
それでも、作品に触れた気持ちだけはお伝えしたく、★とともに書かせていただきました。