6年、彼は私を「桜ちゃん」と呼ぶ距離に置いた。〜曖昧な優しさからの脱却〜

◇登場人物◇

​・花村 桜（はなむら さくら）

16歳→23歳

​初恋の相手、遥斗にずっと憧れ続けている主人公。彼の誰にでも平等な「曖昧な優しさ」に何度も傷つき、絶望しながらも、その恋を諦められない一途な想いを抱いている。

遥斗への想いだけは譲れない芯の強さを持つ。

​・ 遠野 遥斗（とおの はると）

22歳→29歳​

​桜より6歳年上の、落ち着いた大人の色気を持つカフェの社員（後に店長）。その穏やかさは、実は元恋人（美佳）との関係を清算できず、責任から逃避している弱さの裏返しである。「人を傷つけたくない」という思いが、最も愛する桜を遠ざける鎖となった。

​・ 日向 真帆（ひゅうが まほ）​

​桜の親友。サバサバしていて見た目によらず友達思いで情に厚い。桜の一途な恋を誰よりも理解し、ときには優しく、ときには核心を突いて背中を押してくれる、物語に欠かせない心強い存在。

​・ 風間 悠真（かざま ゆうま）​

​遥斗が何でも話せる幼なじみで、カフェの店長（のちにオーナー）。軽薄に見られがちだが、遥斗の心に潜む「曖昧な逃げ」を厳しく指摘する、辛口ながら愛のある理解者。

​・ 氷室 美佳（ひむろ みか）​

​遥斗の元恋人。遥斗が別れを明確にしないまま逃避したため、彼の心に長く影を落とし続けた存在。