スイカが寝ている間のお話
「ん、んーぐはっ」
「あっ、吐血した」
「ふぐぅ〜かはぁ〜」
「なんが悶えでまずね」
「きしぇー」
「あはっ今度は背伸びをしたね」
「いや、これ悲鳴じゃない」
ランサーのイチゴはひとりの勇者を見てたのだ。
彼女だけじゃない。巫女のミカンも亜人のメロンも悪夢にうなされている勇者スイカをただじっと眺めていた。
「ぐえっぐえっ」
「なんがわざとらじいでずね」
誰も起こそうとはしないのだ。
なんという腹黒さであろうか。
ミカンは天然であるが故にそういう気質があるのだろうが他のパーティの面々には心配りというものはないのか。
ヤバいイケメンのメロンは周りを見渡して、
「そろそろ起こそうか?」
と試しに言ってみたが、
「ふんがっふんがっ」
まだまだ謎の寝言を言い続けるスイカに対して、
「まだ様子を見ない?」
とイチゴは提案をする。
これがまた悪意がなく無垢な感じで訪ねるのだから彼女には目に見えない腹黒さがある。
さて、ここで二人の反応は……
「勇者様今度は海老反りだぁ。あはあは!」
ミカンは相変わらずといった様子であり、
「うーん……」
メロンは悩んでいた。
普通なら敵に捕えられた自分を助けてくれた『フルーツ』が悪夢にうなされているのであれば助けるのが仲間というものであろう。
なにを迷うことがある。
「オイラ、殺されかけたんだよね〜あはっ」
真理だ。
彼は先の戦闘において自ら檻を破り敵を滅さんとしたがその目の前には白眼となった勇者の明王となった姿があった。そしてメロンは追いかけ回されたのです。
「んん」
なにやらイチゴは得たかのように頷く。
「私、勇者様にジロジロと顔を見られだんでずよね〜」
「へー、ミカンちゃんどう思ったわけ?」
「最初は照れまじだが、心をのぞいだら結構下心があっだようでじて」
「ひゅー、モテるねー、スゴイじゃん」
一応スイカが頑張って助けてくれたという体があるのでフラットにメロンは返す。
「一応、私はタイプじゃないみたいでして」
「あ、そうなんだ。なんでだろう」
「ぞれは、まあ、色々とあるんだど思うんでずげど、ごの中で一番好意を向けているのがイチゴ様らしいんでずよ」
「わぁお」
メロンは知ってたけどねと言った雰囲気である。
「えー、私なんだー」
イチゴは棒読みをします。
「だっで、パーティの中で勇者様がアナタを見る目が違いまずよ」
「ふーん、私はそんなの気にかけたことないんだけどなー」
ミカンとイチゴのやり取りに見かねたメロンが、
「ねえ、スイカちゃんをどうする?」
と議題を戻す。
「んー……保留」
イチゴはスイカを見つめた。
それに釣られるようにしてミカンとメロンも視線を移した。
「きゃは」
「笑ってる」
「チュパ」
「キスだ」
「マンゴー王女」
「それって……」
イチゴ、ミカン、メロンの思惑は少し外れたように伺える。
その頃、マンゴー王女はというと。
「アレ……目が霞む。すみません、この部屋空調大丈夫でしょうか」
「アラマア、ニクラシイ」
瞳をしょぼしょぼさせていましたとさ。
「急に目が霞んできた。ドライアイでしょうか」
「ニクラシイ」
世話係の合い挽き肉が目薬を持ってきました。
「ありがとうございます。助かります」
「ニクラシイ」
そして勇者スイカは、
––––––––ううっ、マンゴー王女……
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