第6話 出会い
拍手轟く教室内、担任の先生は口を開けると同時にそれは消えた。
「みなさんの自己紹介は、始業式が終わったあとにやりましょう!では、皆さんクラスの外で出席番号順で列を作って運動場に出ましょう」
そういうと、面倒ながらすぐに廊下で列を作る。
「結菜さんは、列の最後についてきてくださいね」
そう言われたので、私は出来上がった列の最後に並んだ。それに気づいた最後尾の女の子が話しかけてきた。
「結菜さん、私は
茶髪で、かわいらしい女の子だった。
「うん、よろしくね」
そう言って、列は動き始めた。運動場には明らか下級生が3,4人、上級生が4,5人ほどいた。ごく少数ながらも校長先生のありがたく長い話が続いただけで、始業式は終わった。
クラスに戻り、1限目。
少し授業内容を変更して、私との交流会が始まった。
「朝露充和子、27歳。6-2の担任です。好きな食べ物はラーメンです。4年間担任をするかもしれませんが、よろしくお願いします。」
って、担任が自己紹介の例として挙げたところで自己紹介大会が始まった。
「相楽十蔵、11歳。この村の……村長の孫です。えっと、その……よろしくお願いします……」
「
「
「
「北条紗夜です。好きな食べ物は、チョコレートです。よろしくね、結菜ちゃん!」
合計5人、これから私と4年間一緒になる仲間たち…
「城守結菜です、田舎で暮らすのは初めてで、わくわく気分と不安な気持ちでいっぱいですが、優しく接してくれると嬉しいです。これから、よろしくお願いします。」
自己紹介したあと、クラスで交流会が始まった。椅子取りゲームやカードゲームなどをして、1限目はあっという間に終わり、チャイムが鳴り響く。
本日は、始業式とその交流会で終わり。さあ帰ろうとしたとき、背後から十蔵くんが声をかけてきた。
「…約束、学校案内してやるって言ったろ?」
「ああ、そうか。うん、ありがと!」
席を立ち、クラスを出ようとしたきにもう一人やってきた。紗夜ちゃんだ。
「二人で何やってるの?」
「こいつ、学校案内しようとしていたところ。」
「へえー私も行く!」
「は?なんで、紗夜も来るんだよ」
「いいじゃん!ね、いいでしょ?結菜ちゃん」
私はうなづくしかなかった。
◻︎
3人で学校内をぶらぶらする。下級生のクラス、上級生、家庭科室、音楽室、職員室、図書室……そして、運動場。施設はあまり揃っていないこの小さな学舎の屋根の下で、私たちは学びの種を育ててゆくこととなる。
途中朝露先生と職員室前に出会いながらも、学校案内は続き、夕暮れとなる。
カラスは鳴き、辺りは橙に染まっていて、影が長く伸びる。人は帰路につく。私は登校時、車の中で父が夕方は迎えられないと知っていたので、徒歩で帰ることに。十蔵と紗夜ちゃんは村出身で昔からの幼馴染だそうだ。そうした話を繰り返し、とある分岐点に立つ。
「ああ、僕はこっちだから…また明日な!」
十蔵は紗夜と私と分かれ、帰路につく。紗夜ちゃんと私はあたかもすでに仲良かった友達のように、話していた。
「ねえ、結菜ちゃん…少しいい?」
「ん?なに?」
ふと紗夜ちゃんの表情に変わり、
「私ね、実は十蔵くんのことが好きなのよ。まだ言ってないけど」
私は驚いた。
「そうなんだ、私、応援する!」
二人は秘密を抱えた、夕焼けの色が甘酸っぱいほどに。
◻︎
一方、二人と分かれた十蔵は家の目の前で立ち尽くしていた。何か胸のざわめきを感じる。初めて会った女の子なのに、どうしてこんなにも…
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