一行ごとに、息をするような静けさと熱がある。「積み上げてきた」「ナゼ」「壊れものの雫」――どの言葉も、読む者の“記憶”に触れてくる。それは悲しみでも諦めでもなく、壊れながらも進んでいく人の優しさそのもの。感情の波が音楽のように押し寄せ、最後の「夜明けを待っている」で涙が滲む。感情を整理して描いた詩ではなく、感情そのものが詩の形になった作品。これは「祈り」と呼ぶほかない、美しい一篇です。