第15話 混ざり合う家族

偶然の産物であったが、この変化が生活を一変させた。子ども達の前や外では気をつける必要があるが、上の階に上がった後のプライベートな時間はお互いに気にせずに、気の合う互いのパートナーと時間を過ごせる。


やってみてわかった事もある。例えば育児の協力。これまでもお互いに面倒をみたりはしていたが、近所の家の子を預かっている感覚だった。それが、パートナーが変わった事でその連れ子?もより自分の子どもと感じられるようになり、時に厳しく時に優しく、実子と変わらずに3人を平等に扱うようになった。


なので一つのペアが子ども達を見ている間にもう片方が少し長めに家を空けて息抜きという事も出来るようになった。いわゆる二世帯住宅な親子なペアでもできなくはないが、平等な立場でお互いにギブアンドテイクできるのが良い。


そして、徐々に難しくなって来る子ども達の勉強の相手。食後に皆でダイニングやリビングで飲んでると「ここ、わからないんだけど」と言って教科書や問題集を持ってくる。大人はとは言え、得意不得意があるから、「あ、これは新一さんに聞いて」とか「ねえ、奈緒さん、これ、この答えで良いんだよね?」とかやっているうちに教科ごとに役割分担が決まってきた。


子ども達も自分の部屋はあるのに結局はダイニングテーブルで勉強するようになっている。「消しゴムのカスが…」と女性陣には今ひとつ不評だが、家族でこうやって夜の時間を過ごせるのは良いなと思う。そしてこれができるのも職場の近くに住み、夕食の時間に帰って来れるからだなとしみじみと考えたりする。


そして、勉強もそうだが、違ったタイプの男親、女親が家にいるというのは子どもの心の成長にも役に立つのではないかと思う。違った視点で物事を見ることの大切さや、意見や考え方の違う人とどう折り合いをつけて互いに納得のいく解を見つけていく。それが日常的に家庭内で起きているわけで、4人が2対2になる事もあれば、時に1対3になったり。それでも劣勢な1人が3人を説得することもある。そんな家庭環境の中で育った子どもは社会に出てもたくましく生きていけるだろう。


元々、親の介護を子ども達で分担するのが目的と聞いていたペアファミだが、子ども達を共同で育てるという意味でも充分効果があるようだ。これをもっともっと皆に知ってもらうにはどうしたら良いのかと考え始めていた。そして、子どもが成長して大人になるまでこの生活が続くのだろうなとなんとなく思っていた。

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