転生したら【平凡】スキルで、女神に雑に送り出されたけど、気づいたら異世界トレンド2位になりました
悠・A・ロッサ @GN契約作家
第1章 トップランカーに拉致られた編
第1話 転生係の女神、雑すぎ問題
「――あ、これ、ヤバいな」
そう思った瞬間にはもう遅くて、俺は目の前から迫るトラックに盛大に跳ね飛ばされていた。
***
目が覚めると、そこは白い空間だった。床も天井も壁も、全部が発光していて、なんかこう、テンプレ感がすごい。見慣れた――というか、なぜか見覚えがある気がする異空間の中央に、俺は突っ立っていた。
「はい、お目覚めですね~。お疲れさまでした、トラック係の処理も完了済みでーす」
現れたのは、美人だった。
黒髪ストレートに、スーツ。タブレット端末みたいなのを片手に持って、しれっとした顔で立っている。
見た目は神々しいけど、対応は完全にコールセンターのテンションだった。
「ようこそ異世界転移管理センター、第548班へ。担当の女神、ナナエです。あ、名前は覚えなくて大丈夫です」
「え、あの、俺、死んだ……んですよね?」
「はい、トラックにはねられて即死です。まあ、死因としては一番多いタイプなので処理は簡単でした。ありがとうございます」
「いや、ありがとうございますって何!?」
「ということで、さっそく転移の準備に入りま~す。ご安心ください、今月だけでもう236人目なので、流れはバッチリです」
「えっ、そんなに……? そんな転移ってポンポン起きるもんなんですか?」
「起きます起きます。流行りですから。流行ればいいってもんじゃないんですけどねぇ……ぶっちゃけ、こっちの処理の方が地味にブラックで」
女神様がため息をついた。
いや、ため息つくの俺の役目じゃね?
「えっと、じゃあ……俺にも勇者とかチートとか、神剣に選ばれし者みたいな、なんかこう、あるんですよね?」
「ありません」
即答だった。秒で否定された。
「……え、でも、こういうのって選ばれし転移者が……」
「あなたはランダム抽選対象のノーマル転移なので、リセマラも特例処理も不可です。スキルは完全ランダム、当たりハズレは運次第。文句は受け付けてません」
なんだこのガチャみたいなシステム!? しかもハズレたら人生丸ごと地味なやつ!?
「では、スキル授与の儀式に移りまーす。はーい、いきますよー、ジャラララララ……」
効果音は完全に口で言っていた。
そして、女神のタブレット端末にスキル名が表示され、ピコッと通知音が鳴った。
「はい、出ました! あなたのスキルは……【平凡】です!」
「……はい?」
「【平凡】です! おめでとうございます!」
おめでたくねえよ!!
「【平凡】の効果は、どんな状況でも平均的な結果を出すというものです。具体的には、クリティカルは出ませんがミスもしません。魔力も筋力も平均、ステータスは常にバランス型。チート性能も、即死事故も、ありません!」
「地味にも程があるだろ!!」
「地味は安定です。最近の異世界、火力インフレが進んでまして……平均性能の人材、需要あるんですよ?」
俺は頭を抱えた。
最強スキルとか万能チートとか、そういう未来を期待してたのに、渡されたのは安全・安定・つまらないの三拍子そろった凡スキルだった。
「じゃあ、最後に装備品の支給ですね~。こちら、錆びた剣とくたびれた冒険者コート、そして……」
女神は小さな、スマホっぽい端末を取り出した。
「こちら、初回登録無料です♡ 人気者になれば広告収入も入りますよ~」
「人気者?」
「異世界配信RankLive用の魔導通信端末です」
「RankLiveって……ネットで話題の? 異世界配信ってネタじゃなかったんですか?」
女神がタブレットを軽く振りながら、さらりと答える。
「ネタではありません。あなたも今日から公式配信者ですよ~」
……と、軽やかに言ったその直後、契約書に極小文字がちらりと光った。
※魔力通信料・転送手数料・超過バズ課金は別途。
(おいおい、結局高くつくやつじゃないか)
「【平凡】なのに!? バズれんのかよ!?」
「それは工夫次第ですよ。じゃ、はい、ちゃちゃっと名前書いて。それじゃ、いってらっしゃーい」
「雑だな!? おい……」
だが、文句を言い終わる前に、光が容赦なく俺を包み込む。
俺の異世界生活は、最高に地味なスキルと、謎の配信用スマホから始まった。
だがこの時はまだ、まさか自分がバズるなんて――想像もしてなかった。
平凡スキルしか持ってない俺が、フォロワー20万の凡神とか呼ばれて、
「#平凡が最強すぎた」で異世界トレンド2位になるなんて――
誰が予想できんだよ、それ。
***
カクヨムコン11に参加しています。
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転生したら【平凡】スキルで、女神に雑に送り出されたけど、気づいたら異世界トレンド2位になりました(本作)
https://kakuyomu.jp/works/822139838989360870
戦略屋は口だけだと言われたので、ファーム最強だった俺が異世界で魔王軍を再建してやんよ(新作もぜひ!)
https://kakuyomu.jp/works/822139840531473930
その分、ひとつでも心に残る物語を紡げるよう、最後まで全力で書きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
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