透き通る空の下

色とりどりの樹々が流れていく

「ここ何年も目に入ってなかったな…」

人生の大転換が新たな気づきをくれた


「さっきまで、風船をバンバン叩いて遊んでましたよ」

受付で母の様子を笑顔で伝えてくれた

ここにはたくさんの笑顔がある

父がくれた母への最後で最高のプレゼント


「さっきまで遊んでたの?」

「今度おじちゃんが会いに来てくれるって」

毎度のことだが何も返事はない

ただ普通に座っていることがうれしい


それも束の間

身体が少しずつ震えだす

前かがみになっていく

テーブルにうつ伏せになる

「ベッドに横になろうか?」

手を握る

当然返事も反応もない


いつもどおり無言で頑張ってくれている


どうするのが彼女のためになるのかな?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る