第46話 エピローグ・・元帥よ、永遠成れ!!

ポーツマス軍港に投錨した我等連合艦隊はヒットラー、チャーチルと

戦艦桜島の甲板で会談を行っていた。


「元帥閣下、ソ連の要軍港はほぼ制圧完了です。」


チャーチルが言うと・・。


「偉大なるアドミラルトーゴー、モスクワも制圧しクレムリン宮殿跡地の

地下10階で指揮してたスターリンを制圧。

抵抗したので射殺したとの報告が入りました。

赤軍の首脳部は壊滅です。」


ヒットラーが言う。


東西から制圧されさすがのソ連も崩壊。


生き残った首脳部も抵抗は不可能と判断し・・。

無条件降伏を了承。

ソ連は解体される事となる。

英独仏の三国が占領政策を指示し、

日本は東洋の大連、ウラジオストック、そして北方領土全島を掌握。


「アドミラルトーゴー、大陸政策を全て我等で良いのですか?

貴国の活躍あればこそでしたのに。」


チャーチルが遠慮勝ちに言うが、東郷は断る。


「日本は島国。

陸はいらんワイ。その代わり太平洋全地はおいどん等が頂く。

あ、インドシナや豪州、ニューギニアなどの島はすまんばってん独立させてくいやんせ。」


イギリス側は了承し豪州等の島国は晴れてイギリスから独立。

代わりに中国全土と朝鮮半島まで手に入れたのだから文句は無い。

ドイツもソ連全土を占領し、後に分割独立を即す事となる。


懸念してた中ソ半島問題をイギリス、ドイツに押し付け、ソ連も崩壊。

シベリア全土はユダヤ人入植地に指定され、後にユダヤ国と名乗る事になる。


「フム・・・こいで良かろかい。」


東郷も納得。


会談を終え、連合艦隊は帰国の路へと着く。


アフリカ南端の喜望峰を周り、インド洋を超え途中のフィリピンに寄港。


マニラ港でフィリピン軍の指揮官に駆逐艦の譲渡について会談。

10隻程の艦を譲るので大戦終結後に横須賀で譲渡予定。

フィリピン新制海軍は士官候補生1000人を選抜し、横須賀予科練跡地で教育。

後の時代に彼等がフィリピン海軍の始祖、アドミラルトーゴーの孫と呼ばれる事となる。


中東の油田地帯も帝國が抑え、(ドイツ軍とイギリスから譲渡)

退役軍人の入植者が油田を開発し、帝國は世界一の油田オーナー国ともなる。

アメリカの油田からも格安で重油やガソリンが入手出来るので、帝國は東郷資産と共に富豪国家となりつつあった。


前世では非業の死を遂げたヒットラーも偉大な東郷に触れて考えを改め、

ユダヤが嫌いなら遠ざければ良いと理解。

遠いシベリアの地でユダヤ民族は自分の国家を構築。

中国、朝鮮は兵力武器を提供してくれてた赤軍国家が滅びた事で衰退。

東郷の進言で彼等は分散分断され、貧困の民と化する。

アメリカは東郷に怯えボコ負けした事で海軍は二度と持たずにコーストガードのみを維持。

南米側はパナマ運河を帝國が抑えた事で実史の如く暴れる国家も減り、

難民も流入しなくなる。

スエズ運河は日英独で共同運営が成立。


アメリカは孤立国家となったので、実史とは違い世界の警察は日本、ドイツ、イギリスの三国で平和維持活動を執行。

アジア各国は独立を成し、実史の如く中東問題は発生せず。


そもそも軍資金となる油田地帯を帝國が制圧したので、貧民では武器も買えず。

原爆はユダヤ人やドイツ、イギリスとも協議の上、封印する事が決定。


太平洋沿岸全てを制圧、治安に成功した帝國は主に小型艦のみを海賊対策に派遣。


こうして前史とは根底から変わり、東郷もようやく安堵。


そろそろお役御免となると案じた東郷は皇居に詣でて陛下に接見。


「陛下、おいどんもそろそろ西郷あんさんの処に帰る頃となりもした。

そいで、まこて申し訳ごわはんどん、おいどんの全資産を陛下に預け申す。

金塊1万tでごわすが、こいで帝國の民の助けにしてくいやんせ。

運用は歴代皇室に一任しもうす。」


「・・・東郷、天に帰るのか・・・。

我が帝國を救ってくれ、陸軍を制圧してくれたおかげで帝國は変わった。

外敵を制圧し、帝國民の暮らしも素晴らしくなった。」


「ハイ、おいどんもきばいもしたが、もうここ等で良かろと思いもんでな。

天に居るあんさん(西郷隆盛)も待ちくたびれておいもんで。」


「東郷、本当に本当に・・・御苦労であった。

陳も心より感謝する。陳は歴代皇室にも継承しよう。

そして靖国の護国の鬼に感謝するとも・・。」


「護国の鬼・・・有難き敬称でごわす。

なによりの資産でごわす。」


そこまで言うと東郷は静かに座り、そして倒れ・・・眠る様に逝った・・。


「東郷、本当に御苦労であった・・。貴殿の遺体は護国の守り神として靖国に祭ろう。そして平和の象徴として全海軍基地に東郷神社も天皇の命題で祭ろう。」


天皇は東郷の亡骸の前で祈りを捧げ、天に帰る東郷の冥福を祈った。


アドミラルトーゴー往くの訃報は全世界に流れ、国葬ならぬ全世界葬になる。

チャーチルもヒットラーも戦艦で駆け付け、東郷の逝去を悲しむ。


「アドミラル・・貴方はあまりにも偉大でした。

世界を救い、太平洋の安定を取り戻し赤軍の跋扈を抑えてくれました。」


チャーチルが言うと・・。


「アドミラルトーゴー、貴殿のおかげで我は悪魔から凡人に帰れた。

もし貴殿に会わなければ我は20世紀の悪魔と呼ばれ討伐されたであろう。

天に居る貴殿には永劫に感謝する。」


ヒットラーも祈りを捧げ、あらゆる国家の首相も駆け付ける。

敵対してたアメリカ(現在は北アメリカと改名)も大統領改めの総理大臣。

アイゼンハワー初代総理大臣も・・。

>トルーマンは合衆国最後の大統領となり、敗北後引退。


「東郷よ、誠に御苦労であった。

貴殿の鬼神の働きがあったからこそ帝國は永劫の輝きを持てた。

護国の鬼として貴殿は靖国の社の地底に祭り、永劫に神となって祖国を見守ってくれ。

本当に・・・本当に・・御苦労であった・・・。

裕仁・・。」


天皇の言葉と共に斎場の靖国に天から光が舞い降りる。

その光に包まれ東郷が天に昇るのが見られたと言う。



後書き


東郷を護国の鬼となって本作は終わります。

故郷の英雄なので言葉も出来る限り選んで書いたつもりです。

太平洋戦争時に東郷が指揮取れてたら?と言う想いが執筆のきっかけでした。



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大元帥 東郷平八郎 自宅防衛隊 @oidonda

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