第31話 恨みは深しミッドウエー海溝 Ⅱ
伊号潜水艦からの報告が入った。
敵艦隊はSF軍港より空母5隻、戦艦3隻、駆逐艦10隻で出撃したとの事。
モンタナ級の追加版だろう。
空母も一隻追加とはさすがアメリカ。
まずは艦隊作戦だな・・。
「山本、電文暗号見たか?」
「元帥閣下、見ました。新鋭戦艦3隻とはさすがですね。」
「ウム、敵は恐らく艦載機もジェット機であろう。
油断はするなよ。」
「了解です。」
レシプロ機では勝負にもならないので米軍は全研究者、会社、陸海軍部が総力を挙げ、
ジェットの実用化を果たしたのだろう。
恐らく震電初期クラスでは無いかと予想。
震電も更にモデルチェンジを繰り返し、艦載機優先で「震電改」に更新。
ジェット機関も新型誉を搭載。
離昇推力4500kgを発揮。
未来のF15で推力17000kg(双発)だから、相当頑張った方だ。
スロットル反応はレシプロ機以上となり、急加速も無問題。
内地でもテストでもストールギリギリから全開加速も出来たと言う。
戦闘訓練でも零戦との格闘戦も可能と言うから素晴らしい。
戦艦も桜島が加わり4隻の巨艦。
まずは海戦で勝たねばならぬが・・・。
敵に出て来て貰わねばならぬので、こちらも世界に普通無電で逆短OKの出撃指令を出した。
「我が連合艦隊はアメリカ側との戦闘の為、ミッドウエー海域を目指す。
敵対しないなら無血占領するが敵対するなら滅ぼす。
期日は1944年1月27日。東郷平八郎。」
敵側も探知し、今度こそはトーゴーを討て!!と絶対命令が出てる。
後に判明するが敵の新鋭機はF9Fパンサージェットと言うそうだ。
実史では戦後出現する機なので相当な無理をしたのだろう。
既存のレシプロ機では震電相手には戦えぬしのぉ。
震電改は水平時速で音速を突破出来る。
時速で1400km換算。
この一戦で敵を殲滅すれば、アメリカも懲りるだろう。
懲りなければ・・・だが・・。
ルーズベルト亡き後のホワイトハウス執務室には・・。
「ッタク・・。ベルトのアホめが・・。」
新大統領となったトルーマンはブツブツと独り言(恨み言)を言ってた。
既にトーゴー率いるJAPとの闘いは負け続け。
マッカーサーは捕縛され、フィリピンは独立すると言う。
艦隊が壊滅するのも二度目。
そして今度はミッドウエー・・。
アレは不味い。
獲られたらハワイが終わる。
勝てはしなくても相打ちでも良いのでトーゴーを討て!と告げてる。
敵のジェット機は強い。
合衆国もジェットもメーカー総力を挙げてパンサージェットを実用化。
勝てはしなくても互角の戦闘力はあるだろう。
ただ・・・。良く墜落をするそうだ。
その為に脱出装置を実用化したと言う。
パイロットは特殊技量の主。
機体は喪失してもパイロットだけは喪ってはならぬのだ。
だが今回の戦争で負けたら・・。
合衆国は海軍を失うだろう。
既に二度の敗北で国庫も枯渇。
債権を二度も発行し、既に大借金国家だ。
絶対に負けてなるモノか!!
だが敵は強い。
既に100歳は超えてるハズの老人が指揮官として君臨。
>96歳ですね。1944年で。
40年前のニホンカイカイセンの英雄だぞ。
どうなってるのだ???
トルーマンの悩みは当然だろう。
普通なら東郷は墓に入ってる時代なのだ。
だが神の力で東郷は若返り、指揮官として君臨。
日本海軍を世界一の海軍に育て上げてアメリカ海軍を追い詰めてる。
新鋭戦艦、アメリカⅡ世、ワシントンⅡ世、モンタナⅡ世の三隻。
装甲が対40cmだったので45cmまで耐えられる装甲にしたが、
重くなり27ノットが限界。
砲塔も50cm砲だ。
人類が搭載出来る最大の艦載砲となる。
SF軍港を出撃し、ハワイを経由後、敵との決戦を挑む。
今回は敵の望む払暁戦ではなく、日中戦となる様にハワイで時間調整。
補給と給養だ。
後書き
中々海戦まで逝きません。
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