第22話 レイテ沖大海戦勃発ス(さん)

我等連合艦隊はバターン半島、

コレヒドール要塞にチマチマと艦砲射撃を加えて遊んでた。

言うまでも無い。

アメリカの新鋭戦艦をおびき寄せる為である。


スパイ情報に依れば、敵艦隊は竣工したばかり。

公試運転もロクにしてないと聞く。

概算だが8万トンを超える新鋭戦艦、ネームシップはモンタナ。

大和や信濃でも仕留めるのは簡単では無いだろう・・・。


と、敵には思わせておいた。


前世で連合艦隊が壊滅した恨みのレイテの海が舞台。

我等は敵を滅ぼすのが仕事。

敵陣深く食い込めば前史の如く、敵の術中に食い込まれてしまう。

戦場を故国近辺に限定し、敵の戦力を刈り続ければ軍備はともかく、

兵士士官が枯渇してしまう。

その舞台として海戦は最適なのだ。

そして敗北ぐ続けば如何なる勇猛な戦士でも心が折れる。

戦闘員は勇猛な戦闘魂が必須なのだ。



また戦艦が主役と思わせ続ければ敵は戦艦を作るしか無い。

如何な米帝でも限度があろう。

正々堂々と互角に戦い、敵を潰せば面子もあるであろう、米帝も・・。


「元帥、偵察機彩雲(後で説明します)に依ると敵艦隊は旧式空母、

ホーネット、ヨークタウン、エンタープライズを伴い、主力艦は・・」


「フム・・モンタナ、アメリカ、ミズーリの三隻。

巡洋戦艦カイザー級が10隻・・・に駆逐艦多数か・・。

空母は戦闘機のみと考えても良いであろう。

彩雲は??」


「ハッ、彩雲は追跡を受けましたが・・・。」


聞くと英文で「我に追いつくグラマン無し。《No Grumman could catch up with me.》」


英文読んで大笑いしてしもたでは無いか!!


アメちゃんブチ切れて追い回してると言う。

だが彩雲は速度に特化した偵察機。


内地でも震電と速度競争したらブチ切ったと言う。

さすがジェット偵察機だ。

(機銃を搭載しないのと非武装なので機体表面が滑らかです。)


悠々と偵察を終えた彩雲は次の交代の彩雲が来るまで米艦隊を視察。

詳細な映像も撮影し、モンタナ型の機密も得る事となる。


「敵艦隊はレイテ北方150kmか・・・。

日没なので明け方払暁時に開戦となろう。」


「ではその様に・・。」


米軍も偵察機を飛ばしては居るが電探で察知され、艦隊を見る前に撃墜。

おかげで日本側の情報は入らず、米軍側だけダダ漏れ。




「クソ~~!JAPのジェット偵察機めが・・。

何が我に追いつくグラマン無し。《No Grumman could catch up with me.》だ!!」

我が方の偵察機は発見前に撃破されてるのに。

全米航空会社が総出でジェットを開発はしてるが、形や理論は分かっても、

耐久性に乏しく、とてもでは無いが戦闘機には使えないと言う。

まずは爆撃機で使ってるそうだが・・。」


ハルゼー提督は前の海戦の経験者と言う事で、新しい太平洋艦隊司令官となってた。


「良いか?今夜は交代でレーダーから目を離すな。一瞬もだぞ。

トーゴー元帥は明け方にきっと襲って来る。」


ハルゼーの予言は見事に的中する事になる。


連合艦隊は前回同様、払暁攻撃を行う・・が・・・。




後書き


次回、戦闘開始。

もう少し待ってね♡




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