アカシックレコード、それはこの宇宙開闢以来のすべての出来事、概念、果ては個人の心の機微に至るまで記録されているという代物。
そんなとてつもないモノが、アメリカで発見された。
アメリカ政府は独占しようと目論むが、情報が洩れたために世界各国から非難の嵐が巻き起こる。その結果アカシックレコードはすべての人々に解放された。
ただし、レコードを使用できるのは抽選で当たった者だけ。また使用回数は三回までである。
ところ変わって、日本に住む学生・今村ミライはピンチだった。
在本君という意中の相手がいるのだが、頭が良く優しい在本君に合わせるために、理想的な自分を演じているのだ。
ところが、在本君はアカシックレコードの抽選に当たり、使用数三回のうち一つを身近なひとの秘密を探るのに使おうかと考えている。
もしも、自分の秘密がバレてしまったら……どうにかして、在本君が自分を検索するのを阻止しなくてはならない。
そんな時、とある人物がミライの前に現れる。
有名俳優・加古川ショウである。
彼もまた、秘密を抱えており、アカシックレコードで自分のことを検索できないようにしたいと言う。
こうして二人は同盟を組み、『アカシックレコード隠蔽工作班』と称して行動を開始するが……。
とにかくギャグが面白すぎました!
ネタばれはできませんが(『早バレ』という重大なテーマが出てきます!)、例を一つとれば「アカシックレコードを使ってそんなしょうもないことを!笑」というようなエピソードが満載!たくさん笑わせていただきました!
しかし、ギャグだけではありません。
前半部分はアカシックレコードの検索会場を探るパートがあるのですが、コメディの中にもサスペンス調ありで、展開が進むごとにドキドキワクワクが止まりませんでした。
また、登場する人物たちは心に秘めたるモノを持っており、そのことが物語の進展とともに深いドラマ性を生んでおります。
そして物語のラスト、これ以上ないほどに青春!若返る思いでした。
面白くて、登場人物たちが愛おしい、珠玉のコメディ!
是非ともご一読を!!!