カクヨム攻略七日目

カクヨム攻略日記⑦:星という名の灯り

カクヨムの街を歩いていると、店先に小さな灯りがいくつも落ちていた。

星やハート──この街で交わされる評価の光だ。


その光が、ある通りだけ異様に速く点いては消えていく。

店の中を覗く間もなく、灯りだけが次々と置かれていく。

読みの時間よりも、明滅の速度の方が目立っていた。


しばらく観測して分かった。

この街には、灯りの間隔を静かに見ている見回り役がいるらしい。

読む呼吸よりも速い灯りの連続は、街の構造上機械の足音として扱われることがある。


誰が悪いわけでもなく、ただ、この街がそうできているだけだ。


星を渡すという行為は、読みの時間とセットでひとつの流れになる。

その時間が抜け落ちると、灯りは評価ではなく挙動として扱われるのだろう。


私は、手の中に握っていたひとつの星を見つめた。

これは本当に、誰かの店先へ置ける灯りなのだろうか。

作品の中身を確かめずに渡す星は、光ではなく記号になってしまう。


だから私は、ひとつひとつの灯りを、読んで、確かめて、意味を持たせてから人に渡すことにした。

急いで置くより、内容を理解してから置くほうが、この街では自然なのだと感じた。


今日は、星(レビュー)の扱いについて観測した。

星はただ相手に気配を伝える合図ではなく、

その作品を他者へ手渡す灯りでもある。

だからこそ、その光を置く前に、中身を確かめる時間が必要なのだ。


この観測は、後に《攻略その⑦:推薦構造編》として整理する予定だ。

今日はここまでにしておこう。

霧の向こうで、小さな灯りがまたひとつ、揺れている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る