青に満たない青が満ちる

音夢音夢

プロローグ

 僕らの青は見つからない。

 あの日失くしたそれが、てのひらからすり抜けていったそれが、ずっとずっと、どこにも見当たらなくて。

 探しても、泣いても、泣けなくなっても、それは全然消えてはくれないのに、いつまでも胸に戻ってくることはなくて。


 もうだめかなって、何回も思うけど。

 諦めそうになって、伸ばした手を何度もおろしかけて、震えて、うずくまって、立ち止まって。


 それでも小さな煌めきを、今もずっと探している。


 まだ、どこかに、きえないでいる――小さくとも、確かな光を。



 ずっと。

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