第33話 目指せ収益化!

​三回目の配信終了後、俺は早速シロモフチャンネルの登録者数をチェックしてみた。


​……ん?1000人を超えただと!? 配信を始めてからまだそんなに経っていないのに、もうそんなに登録してくれているんだ!


​嬉しくなった俺は、興奮気味に藍音と葵にそのことを報告した。


​「やったね翔真!! これで収益化の申請が出来るね!」


​「おめでとう翔真! やっと配信者らしくなるね」


​「まぁ、俺だけの力じゃない。 これは藍音や葵、そしてスノーや幸村がいてくれたからこそだ。皆には感謝だな。ありがとう皆」


​「エヘヘ。 翔真の為だもん。 これからも頑張ってリスナー増やそうね」


「私は加わったばかりだから何もしてないけどね」


​「何か分からないけど、翔真様が喜んでいるのなら私も嬉しいです」


​「某もお館様のお役に立てて嬉しいで御座るよ」


​早速動画配信サービスの運営に連絡を入れて収益化の申請をする。 


すると運営からは、収益化申請には「1000人以上のチャンネル登録者と約4000時間の配信時間」が最低でも必要だと言われてしまった。


​1000人以上のチャンネル登録者はクリアしているが、4000時間の配信時間はクリア出来ていない。 その為、4000時間をクリアする迄収益化はお預けになってしまった。


​くそぅ。収益化期待していたのに。


これは地道に配信をして時間を稼ぐ必要があるな。道程はまだまだ遠いぜ。


​「ドンマイ翔真。 収益化迄一緒に頑張ろうね」


​ありがとう藍音。俺、頑張るよ。


​という事は、収益化が出来るまでのお金を稼ぐ手段は、倒した魔物の素材とダンジョン内でGET出来るアイテムをギルドに売る事になるな。 配信に必要な機材とかもこれから良いのを揃えたいし、配信時間を稼ぐのと併用して頑張るか。


​とりあえずは明日から時間の許す限り、ダンジョンで配信をしていかないとな。


​そして次の日から俺達は大学の講義が終わった後、ダンジョンに潜り魔物の討伐と素材集め、そして配信をしていく事にした。


​……地下三階大フロア。 オークの群れが、スマホのカメラの前で咆哮をあげる。


​「ふっ!!」


​スノーの右フック、続く左ジャブ、そして渾身の右ストレートが、オークの顔面を正確に捉えてオークを撲殺していく。


​「流石姫で御座る。 某も負けてられないで御座るよ!」


​スノーの攻撃を見て気合いを入れた幸村は、俺が渡した竹槍を上手く使ってオークの喉元に鋭い突きを入れ、絶命させる。 着流し姿での武士の動きは、様になっていた。


​一方俺は――


「喰らえ!100万ボルト!」


​手に持った特殊警棒型スタンガンをオークの口の中に突っ込んで、身体の内部から100万ボルトの電撃を流し込み、オークを感電死させていく。


​藍音は――


​「死ぬよ~! 私の姿を見た奴は皆死んじまうよ~!」


​と某アニメの死神宜しく、Dスライサーを上手く操作し、オークの首を冷徹な表情で跳ねていく。


​……今の俺達、見た目ヤバい奴らにしか見えない様に思えるな。


​そして葵は、戦闘に参加せず参謀の役割をしてくれている。


「ファイトだ皆! スノーちゃん、右からオークが来てるよ! 幸村君! 後ろがガラ空き! 危ないよ! 翔真!もっと電撃の威力落として! 皮が焦げたら素材が使い物にならなくなる! 藍音!あんたは表情がヤバい!」


​勿論この戦闘シーンも配信中だ。




​” 相変わらずキレの良いフックとストレートを放つスノーちゃんwww ”


” 幸村君は戦い方がマジで戦国武将みたいだ ”


” 翔真はこれから雷帝って呼ばないとなwww ”


” 藍音ちゃんが怖い ((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル  あの笑顔はヤバい ”


” 葵ちゃんはまるで軍師だな。 素材集めまで気を配るとは流石 ”




そして間もなくオークの群れの殲滅が終わり、お待ちかねの素材集めタイムだ。


​「さぁ、チャッチャと素材を集めるとしますか」


​「あっ、翔真様、私がお手伝いします」


​「某も手伝うで御座るよお館様」


​「………はっ!?私は今何を!?」


​「……藍音、もしかして今まで無意識でやってた?」


​俺・スノー・幸村はオークの死骸から素材を集める為に剥ぎ取りナイフを手に死骸に近付いていった。


どうやら藍音は戦闘中の記憶が無いみたい。 葵にツッコミを入れられていた。 「あんたの笑顔、マジで死神だったよ!」 と。


この様子だと、藍音の戦闘時の狂気は、彼女の抱える秘密と関係があるのかもしれない。


​素材となる部位を剥ぎ取った後、俺はふと目の前に何かがある事に気が付いた。


​「ん?そこに何かあるぞ?」


​その何かをまじまじと見てみると、そこに有ったのは古びた木製の宝箱だった。 ダンジョンを探索して初めて見つける、このフロアには不釣り合いな存在感だ。


​「皆さん! 配信をしだしてから初めて宝箱を発見しました!」


​俺は同接してくれているリスナーさんに向かって興奮気味にそう言った。





ここまで読んでいただきありがとうございます。


もし宜しければ コメント レビュー ♡ ☆評価を宜しくお願い致します。


おかしな点があれば指摘をお願いしますね。


今後とも拙作を宜しくお願い致します。

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