「半妖」という忌むべき宿命を背負い、感情を凍らせた青年。さらわれた弟を救うという至上命題を胸に、彼は神と悪魔が跳梁する過酷な運命へと身を投じます。
本作の白眉は、何と言ってもその圧倒的な「速度感」と「熱量」にあります。第1話からフルスロットルで展開される物語は、読者を一瞬たりとも飽きさせません。独自の「五つの能力」を駆使した戦闘描写は、五感に訴えかける緻密な筆致で描かれ、手に汗握る臨場感を演出しています。
無表情な主人公が、道中で出会う仲間たちとの交流を経て、その心に灯を宿していく過程もまた、王道ながらも胸を打ちます。軽快な会話劇と、重厚な世界観のコントラストが見事です。
単なる「最強」ではない。泥を啜り、血を流しながらも歩みを止めない青年の生き様は、読む者の魂を激しく揺さぶります。新時代のファンタジー巨編として、強く推薦します。