最後になに食べたい?
まるがにみどり
最後になに食べたい?(1) ~舞茸~
こんにちは「まるがにみどり」と申します。
色々と思っていることを綴って行きたいと思いますが、最初から縁起でもないタイトルで失礼いたします。
私は「食べる事が好き」です。
食べる事が、美味しい物が嫌いな人は余りいないんじゃぁないかな。
この多様化の時代でも「食」は避けられないというか、万国共通の話題じゃないかなと思います。
そんな手短な所から、お話をして行こうと思います。
さて改めて今回のテーマ
「最後になに食べたい?」
という意味ですが、悪く取り過ぎず
「後悔や辛さを忘れられるほど、美味しい物」
そんなニュアンスで取って頂ければ幸いです。
さて、私が
「最後になに食べたい?」
と問われたら結構悩みます。
何故悩むかと言いますと、それがいつの「季節」かによります。
春夏秋冬、それぞれ旬の味覚がございまして「最後」の季節が何時なのかによって選択肢が変わります。
それならば、四季ごとに私が味わった
「後悔や辛さを忘れられるほど、美味しい物」
を綴って行きたいと思います。
* * *
これを書いているのが2025年11月。どちらかと言えばもう冬ですね。
私は東北の産まれなので、今の時期にはもう山は雪が降り始めています。
なので山の幸が取れるのは、まあ9月~10月上旬かな。
親の趣味が、春は山菜取り秋はキノコ取りです。
季節になると山に行って色々採取して、それが食卓に上ります。
いわゆる天然モノですね。
子供の時は当たり前に食べてましたが、大人になって随分贅沢なモノ食べてたなと気付きました。
で「秋」に「最後に食べたいもの」が二つあります。
『舞茸』と『
え??舞茸は普通にスーパーで売っているでしょ、安いでしょ?
と思われる方もいらっしゃるでしょうが、だからね
「山で取れた天然モノの、舞茸」なんです。
親が採取したものを食べていたのは、昭和の頃。
舞茸は、スーパーで買えるものではありませんでした。
舞茸の栽培に成功したのがホクトさん、21世紀に入ってから庶民が気軽に買える食材になりました。
ホクトさんありがとうございます。
なので私が子供の時だった昭和は、舞茸は山に入って色々探し回って採取するものでした。
場合によっては、何日も捜索にかかるキノコ、それが舞茸。
舞茸の名前の由来には、大きく二つあります。
一つは、キノコが四方八方に広がって、舞っているように見える説。
もう一つは、舞茸を見つけた人が嬉しさの余り舞ってしまう説。
私は、そのどちらも合っているのかなぁと思います。
アレを見つけた時は、正直歓喜でしょう。
とある秋の日、両親が舞茸を採取して来ました。かなり大きな株です。
明日の炊き込みご飯に使うと、台所に置いておりました。
当時の私は高校生、まあ大体深夜まで起きている年頃ではないでしょうか。
私の場合は勉学と称して、ずっとラジオ聞いてました。
で深夜になると小腹が減ります。
台所に何か余っている食料は無いかと探索に行って、見つけたのが舞茸。
少しくらいならいいだろうと拝借いたしました。
東北の秋の夜はもう寒い。大抵の家では各々の部屋に石油ストーブがあります。
で、ストーブの上にアルミホイルを敷き、バターを溶かして舞茸を炒める。
それに醤油をかけて食する訳ですが、これが絶品だったなぁ。
天然モノの味に共通する事なんですが、最初に舌に来るのが
「土」の味なんですね。
いわゆる野性味とでもいうのでしょうか、大地の味が0.1秒~0.3秒ほど過る。
その後は、凄く濃い「旨味」が押し寄せてきます。
香りも素晴らしいです。
具体的には、スーパーで売っている栽培舞茸さんの20-30倍の香りが押し寄せてきます。
ラジオはもうじきオールナイトニッポンが始まる。
そんな中で食べる舞茸バター炒めの豊潤で絶品な旨さが、今でも記憶に染みついています。
調子に乗って、株の半分を食べてしまい、翌日に親に叱られました。
その記憶も今となっては懐かしく、舞茸の旨味の方が勝っております。
嗚呼、舞茸舞茸、天然舞茸舞茸。
天然舞茸の、パター醤油炒め。
親に叱られた記憶すらも凌駕する、愛しい舞茸。
・・・こんな感じで進めていくシリーズです。
皆様の「最後に食べたいもの」は、なんでしょか?
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