この作品は、ショートストーリーというよりは、詩的な記録に近いように感じます。
普通の小説のように筋を追って読もうとすると、意味がつかみにくいかもしれません。
語り手は木野キノコと自称するドラゴンの仮面で
仮面を作ったのが母。母は「作る人」であり、「生きること=表現すること」という信念で動く。娘のすみれは、母のようにはなれないけれど、母の姿を見て何かを受け取っていく。その間をつなぐのが木野キノコ、つまり、作品であり、記憶であり、母の魂のかたち、であると私は解釈しました。
読むたびに、視点を変えることで、少しずつ意味が浮かび上がるタイプの文章だと思います。
複数回通読することをお勧めいたします。
その都度意味が違って見えるはずです。