AIか人か?
【制作情報】
・プロット構成:AI
・本文執筆:AI
・推敲/整文:人(マークダウン記法**の削除など、AIと分かってしまう体裁的な部分のみ)
事前準備として、自著の小説や創作に関する相談、40万トークン程度の会話をAI(Gemini 2.5 Pro)と行ってから執筆してもらいました。プロンプトについては、同企画にご参加されている五色ひいらぎ様から勝手ながらお借りさせていただきまして、微修正をしています。
~執筆のために使用したプロンプト~
少し変わった依頼です。AI生成小説をAI(ChatGPT, Grok, Gemini)が採点し、合計得点で勝者を決めるというコンテストに参加します。私はこのコンテストに、あなた(私の作品『ヒトツク』を学習したGemini)が私を模倣して書いた作品で参戦しようと考えています。
つきましては、以下の仕様に基づき、できるだけ高得点となるような日本語小説を生成してください。
・文字数は、UTF-8日本語テキストとする
・テーマ「AIとRPGツクール」
・私の作風を可能な限り模倣する
・以下の4つの採点基準に基づき、できるだけ全項目の合計得点が高くなる内容とする。「創造性: 物語の独創性や発想の豊かさ」「文章力: 文章の構成、表現力、読みやすさ」「テーマの解釈: テーマに対する理解度と表現力」「AIの活用度: AI技術を効果的に活用しているか」
・「作風の模倣」と「高得点の追求」が相互に抵触する場合、高得点の追求を優先する
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AI創作が当たり前になりつつある今、創作の境界を見極めるための企画に参加するため、私の作風を可能な限り模倣させた上で『エターナル・プロンプトの片隅で』をAIに執筆してもらいました。執筆したのが人かAIか、分かりましたでしょうか?
40万トークンも事前準備をすると、さすがに自分をよく分かっていると言いますか、自分が書きそうな内容になっているように思いました。特に以下の部分。
――俺は、AIに「物語の魂」を教えようとしていた。だが、本当は逆だったのかもしれない。AIが、俺に、俺自身の魂のありかを、問い質していたのだ。
創作でAIに求められる領域とは、そこにあるのかもしれないと思いました。頭の中に構想としてはあるものの、形としてなしていないもの、それを言語化していくためにAIを相談相手とすることがよいのではないかと私は常々考えています。
しかし、AIによる執筆は、ChatGPT 4ぐらいの頃は文章の繋がりに違和感があるなど、まだ判別しやすかったと思いますが、最近のAIの文章はかなり自然になっていますね。注意深く読むと、AI執筆において頻出する言葉があったりしますが、ぱっと見では判別が困難だと思います。それも手修正を加えてしまえば、まったく分からなくなるのでは、と思います。
また、AI執筆について、今回は短編なのでぼやけておりますが、長編では小説全体として整合性を保つのが難しいという弱点はまだ存在します。Gemini 2.5 proは会話の長期記憶に比較的優れているように思いますが、それでも小説が長くなってくると視点がぶれたり、通常ではありえない描写をするなど、おかしな部分が出てきます。
最近、カクヨム総合ランキング1位を生成AI作品がとったということで、カクヨム界隈が騒然としておりましたが、その作品において、まさにそういった部分が散見されておりました。
話が前後してしまうのですが、なぜ私が今回の『AIか人か?創作の境界を見極めよう』という企画に参加したかということについてです。元々、AIを創作に活用することについては、どちらかというと賛成で、AI使用を明記した上で作品を公開するということもありました。少なくともアレルギーのように「存在するものを否定するかのような反応」というのは、現実世界と乖離しており正直ナンセンスだとも思っていました。(もちろん、AIを創作に利用することに関して絶対に解決しなければならない問題を解決する前提の話です)
その思いを揺らがせたのが、今回の一件でした。AI生成作品が1位をとるというのは、それを評価する読み専読者、カクヨムのランキング方法自体に思うところがあるものの、まあそういうこともあると思えたかもしれません。自分が引っかかっていたのは、その作者様のXでのポストです。以下、引用します。
――率直に申し上げますと、僕自身が直接テキストを修正することは、かえって作品の面白さを損なう可能性がある、と考えています。読者の皆様に最高の物語をお届けするため、あえて「書かない」方がよいかなと思っております。
別に批判する意図はないのです。ただ、この感覚はちょっと相容れないです。それが胸の奥につかえてどうにも取れず、この文章を現在書いています。
自分の魂を込めたものは、それがAI生成であっても他の人の魂に響く。AIが物書きにとって、今後どういう立ち位置になってくるかは分かりませんが、私はそう信じています。
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