緋き牙の書〜淘汰の章〜

(泥の再定義)


 かの書は『泥』を『浄化』や『災厄』と呼ぶ。

 それは『狩られる者』の視点である。

 『泥』は、星が行う『淘汰』である。

 星は、自らの恵みを喰らうに値する『強者』を常に求めている。


 第一の泥は、『力』に溺れ、狩るべき『敵』を見失った『狩人』を淘汰した。

 第二の泥は、『力』を捨て、天に逃げた『大樹』を淘汰した。

 第三の泥は、『力』を恐れ、闇に隠れた『菌糸』を淘汰した。

 そして今、第四の泥が迫っている。


 星は我ら『第四の時代』を見ている。

 翠点にしがみつく『家畜』は淘汰され、星の『力』をその身に集めた『真の狩人』のみが生き残る。

 『泥』は災厄ではない。我らが『資格』を証明するための『狩り場』である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る