天空の礎の書〜集露の章〜 (生命維持)

 天には水がない。ゆえに『虚栄』だと、かの書は嘲笑う。

 我らが、『樹』の本質を忘れたとでも思うか。

 『樹』は水を求め、水を集める。


【『大気集露プラント』】

 『浮遊機関』から排出される『斥力』の余波は、周囲の大気を冷却する。

 我らはこの『理』を利用し、乾いた砂漠の大気から、僅かな水分を結露させ、集める『集露機』を設計した。 


 天空都市は、それ自体が巨大な『樹』として機能し、自ら『水』を生み出す。


【『陽光培養ポッド』】 

 『陽』の光は砂漠では脅威だが、遮るもののない天空では『恵み』である。

 集めた水と『陽』の光を用い、閉鎖空間で高効率の食料(藻や苔、薬草)を生産する『培養ポッド』を設計した。


 大地が『病』に沈んでも、我らは天で『樹』として自給自足する。

 我らは大地を『捨てた』のではない。大地から『自立』したのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る