第11話眷属召喚
眷属を得るにあたって、2通りの方法が考えられた。1つ目は、俺の体を用いた造命スキルで、眷属を増やす方法。自傷する事は、中々に厳しい事ではあるが、魔法でなら、腕の1つくらいは吹き飛ばせると思っている。……問題があるとすれば、それで眷属を作っても、人型になるのかどうかは解らないと言う事。そもそも教育はし直さないといけない可能性があることである。俺と同等の知識を持って生まれるとは、想像できなかったのだ。懸念点はそんな感じだ。
2つ目の方法の方が現実的ではある。召喚魔法によって、ある程度の知識層を呼び込む方法だ。召喚魔法には、契約した召喚獣を呼び寄せる魔法と、契約のために、対価を用意して魔物を呼び出す方法がある。今回は対価を用意して、魔物を呼び寄せる方だな。メリットは簡単だ。知識層だからな。ある程度の知識があると言う事がメリットだ。デメリットは、俺よりも優秀である場合、町を乗っ取られる可能性があることか。まあ、些細な問題ではあるんだが。その場合は、契約を解除して、滅してしまえばいいだけの話ではある。初めから聞き分けのいい眷属を望んでいるのはそうなんだけど。
だから、召喚魔法で呼び寄せることにした。とりあえず、町長になるのと同時に、町人の教育係だな。出来るだけ強い存在の方が良いとは思っている。対価は、価値あるものと言えば、俺の血くらいなものだ。究極体真祖の血液は、かなりの薬になるんだよ。俺だって薬師のスキルを持っているからな。自分の血が、どれだけ有用なものなのかは解っているつもりだ。それを対価にした場合、ある程度の格の召喚獣が呼び出せるはずだ。……まあ、魔物ではあるんだけどな。それで住民まで呼び寄せれば良いじゃないかと思うかもしれない。けど、世界の何処かに居る筈のその存在を、こっちに呼び寄せ続けるのはよろしくない。それは住民と言えるのかって問題はある。
住民と呼べる存在でなくてはならないのだ。町を作るのだから当たり前の事ではあるんだけど、それが普通の事だとは思う訳だ。管理者は、借り物でも、住民は本物で無ければならない。そんな拘りがあるんだよ。笑いたければ笑えばいいさ。自分の拘りだけで、町を作るのが遅れても良いのかって事でもあるからな。町の建設なんて遅れても良いのである。そもそも寿命なんて無いんだから、遅れようが一緒である。もう何十年生きてきたと思っているんだ。……あれ? まだ数年か? それすらも危うい事になっている状態なんだよ。時間なんてどうでもいいんだ。とにかく、自分の国を持ちたい。そんな欲が俺にはあるんだよ。
「さて、召喚をするか。対価は用意した。後は結果を出すだけでいいはずだ。それなりの存在を呼ばないといけない。まあ、俺に勝てる存在なんて殆どいないとは思うけどな。俺に勝てるなら勝ってみろという感じではあるし。人に危害を加えられないだけで、人じゃなければ問題ない訳だからな」
そう、人でなければ問題ないんだ。今回呼ぶのは魔物。出来るだけ知識が豊富で、有能な魔物だ。人を呼ぶわけではない。
「さあ、来たれ、我が眷属よ。知識を蓄え、寿命を超越したものよ。我が前にひれ伏せ」
「呼び出しに答え、このギリエル、御身の前に」
「よく呼び出しに答えた。歓迎しよう」
「はっ。我が望む主が遂に現れたのかという思いでした。デーモンロードとなった身ではありますが、まだまだ高みを目指す所存ではあります」
「デーモンロードか。それは種族限界を向かえているのか?」
「はい。デーモンロードは最終進化でございます。……もっとも、王侯貴族は別の種に進化するようではありますが、平民ではこの種族が最大ではあります」
「そうか。……と言う事は、デーモンの国はあると言う事か。人との交流はあるのか?」
「そうですな。人との交流も無くはないです。完全に敵対している国もあれば、魔物の国を認めている国もあります。魔物だからと一蹴されることは無いかとは思いますが」
「そうか。俺はな、今から国を起こそうとしているのだよ。ダンジョンコアと共生し、この地に国を作る。小規模な国から始めて、それなりの国にしていくつもりだ。その野望についてくる気があるかどうかだな。どうする?」
「……国を作るのですか? 1からですか?」
「そうだ。国民から作るのだ。今はその準備をしている所だ。住民は魔物を進化させていった先の種族である。今はダンジョンコアに命じて、進化の手助けをさせている。それで上手くいけば、国民が出来上がると言う事だ」
「何とも途方もない計画ですね……。ですが、それを成そうという心意気は伝わりました。このギリエル。見事役に立って見せる所存」
「そうか。では、ギリエルよ。まずは1つ仕事を与えよう。この場所は知らんとは思う。そもそもどんな地域から呼ばれてきているのかすら解らない。故に調査を命じる。調査内容は2つ。1つは、東西の国について、情報を仕入れる事。直接赴き、ある程度の情報を持ち帰る事だ。1つは、通貨を手に入れよ。友好を結べそうな国であれば、で構わない。無理なら無理と判断し、情報だけ持ち帰る様に。友好が結べそうであれば、通貨を手に入れて、商売が出来る環境を整える。難しい任務だとは思うが、出来るか?」
「勿論でございます。まずは情報から持ち帰った方が良いでしょう。早急に調べてまいります」
「頼んだ。こちらも町の準備をしている。数百年はかかるかもしれないが、何もないよりはマシだからな。友好を結べるのであれば、結んだ方が良い。敵対するのであれば、早めに解っておいた方が良いだろうからな」
「それはそうでしょうね。敵か味方か、それを確認するのは真っ先にやっておくべきことでしょうからね。両方的であれば、移転する事も視野に入れておいてもらいたいとは思います。流石に規模が不明ですからな。何とも言えませんが」
「いや、移転は無しだ。どれだけ危険であろうが、ここで国を興す。それは決定事項だ。移転した方が安全に国を運営できるのだろうが、それだけではどうしようもない事態になった時に、また逃げなくてはならなくなるからな。ここを居住地として考える。ダンジョンもあることだしな。有効的に使える方が良いだろう」
「解りました。安全性を確かめるためにも、周辺国を探ってきます」
「頼んだぞ」
よし。これで何とか周辺国の状況が解る。人に危害を加えられない俺は、捕まったら詰みって可能性もあるからな。そう言う事は出来なかったんだよ。人とは極力関わらない方が良いんだが、そうも言ってられないからなあ。国を作ると言う事は、そう言った面倒ごとも起きてくると言う事。それから逃げていてばかりでは、かなり問題がある。まあ、こちらから侵略戦争を仕掛けることは無いとは思うけどな。とりあえず、この未開の森を開拓して、国を作ってしまうんだ。そうすれば、いずれは大きな国になる。その時に初めて、戦争をするかどうかを決めれば良いんだよ。まずは侵略戦争って考えは捨てないといけない。まずは内政から始めないといけないんだ。難しい事ではない。ひっそりと内政をすることくらいは出来るだろうさ。
さて、片方だけでも友好な国があれば良いんだけどな。とにかく情報が欲しい所ではある。探知のスキルでは、ある程度の人口までは解っているが、どこまでが国なのかは解らない。戦争を仕掛けてくるような国じゃないと良いんだけどな。そればかりは運が絡んでくる話である。
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