公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
谷 優
プロローグ
「ティアナ・アステールお前は2ヶ月間別館で謹慎しなさい」
そう、お父様から告げられた。
「お父様、私はただエリーが私の......」
私は堪えていた涙を溢れさせながらお父様に訴えた。
別館は本館よりも離れて孤立している。
別館はあまり管理されていなく、公爵の怒りを買ったものが謹慎する場所だ。
ティアナは怯えて事の顛末を説明出来ないでいた。
それはそうだ公爵の目は鋭い眼光でこちらの睨んでいる。
公爵の名はギオン・アステール
銀髪の髪に血で染ったかのような紅玉の瞳、長身で全体的に整っている容姿だ。
そんな幼いティアナは萎縮してしまい毎度呼び出されても説明出来ずに罰を与えられる。
公爵がティアナを呼び出す時はなにか事を起こした時だけだ。
主な原因はティアナの姉エリーだ。
エリー・アステール
エリーは、ティアナの1つ上の姉で長女。輝く銀髪、光を目に宿しているかのような琥珀色、美しい外見、穏やかな性格、博識でとても愛らしい子だ。
アステール公爵家4番目の末っ子
ティアナ・アステール
ティアナには、取り柄もなくよくエリーに比べられていた。
陰では、養子なのではないかと噂されるほどに。
まさにティアナは「凡人」だった。
ティアナは直系だが、公爵家内に味方になってくれる人がおらずメイド達に虐げられている。
リオス帝国 アステール公爵邸。
帝国には、国を守る三大公爵家と呼ばれる家門があり、
膨大な魔力量を保有し、優れた魔法能力を持つ
「クラリス公爵家」
帝国の頭脳と呼ばれ人並み外れた知識、外交力を兼ね備えた
「アグリオン公爵家」
そして、
国に忠誠を誓い隣国との戦場にて功績を挙げた、優れた外見、統率力、剣術、欠点ひとつ無い完璧な
「アステール公爵家」
ティアナと比べエリーは公爵家の名に相応しかった。
2人のお兄様達も、公爵家に相応しく
剣術能力、統率力を持った素晴らしい人だった。
3人とも皆完璧であり将来を期待されていた。
ティアナが公の場などに出席する時は悪意の言葉が向けられる。
そんなティアナはだんだん喪失感に苛まれていった。
愛されたい。ただそれだけを思って。
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