第二章 透香が選んだ世界

――成功したはずの世界で、彼女はもう一度動き出す。


眩暈、吐き気、心臓の鼓動。

世界を越えた代償が、身体を貫いた。

体が受ける苦痛なんて、別に構わない。


床に手をつき、透香は息を整える。

「……成功したんだ。」


声は震え、胸の奥で反響した。

窓の外は穏やかな朝。

朱莉はまだ元気で、研究室では笑っている。

透香は静かに息を吐いた。

「これで、あの結末を変えられるかもしれない……」


だが、身体の奥にはわずかな違和感が残っていた。

自分が自分ではないような感覚。

それを透香は“反動”だと自分に言い聞かせた。


未来を書き換えなければならない。

今度こそ、自分が“動かす”番だ。

そう想った瞬間、新しい世界の可能性が始まった。

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