2番目の恋人

るか

prologue




「そんなに言うんなら、助けてよ…っ」



ーーー知る由もなかった。


いや、正確に言うなら知ろうとしなかったんだ。


彼女がこんなに脆くて、弱い人間だなんてわかろうともしなかった。



高校時代いつも堂々としてて、嫌がらせされても済ました顔してやり返して。



そんな所が面白くて付き合った。




俺なんて居なくても、きっと強いし平気なんだと思ってた。

だから、別れたときも——少し寂しいだけだった。」




「…2番目でいいよ」



「え…?」



「だから、2番目で良いって言ってるんだよ!!」




高校時代の俺、知る由もないだろう。



付き合った期間たった3ヶ月の元カノにお前は将来、心揺さぶられて振り回される羽目になるだなんて。



それも、どんなに辛くても逃れられない程に。



二十代後半の俺は


ーーー永遠に叶わない恋に、どうしようもなく恋をした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る