第26話 遭遇
「どうする?」
「ラーメンならルシスと一緒だから大丈夫だと思うが……」
「そうだね。じゃあ僕達は大丈夫かな?」
グラスとツキユは不安そうに声を漏らした。
「パーレル王国はよく行った事あるから大丈夫じゃないの?」
「ここオレの知らない道だからな……」
私たちは今ラーメンとルシスが川に落っこちた後、道が分からず森の中をさ迷っている途中……。
「そうだ! 思ったんだけど、フライヤはいつ戻るの? 人見知り。ラーメンは今は居ないよ」
「だって、ニアが居るし……」
「ニアはいてもいなくても変わらないじゃん」
「むっ」
ニアはほっぺを膨らませた。その顔はとても可愛い。
「ち、違うよ! ニアそういうことじゃ無いからね」
「フンッ」
「あちゃーリーア、ニア心分かってないな~」
グラスは両手を中くらい上げて、首を振った。
「しょうがないじゃない。まだ付き合いは浅いんだから……」
「そうだね、付き合いが長くなったら、分かるようになるよ」
私はまたフライヤの方を向いた。
「フライヤはラーメン達に自己紹介する時になんか違うキャラを作ってたけど、あれはどうしたの?」
「私にはもう無理だった……」
「はぁー……」
私がこの後どうしようかと考えていると、
カサカサと音が聞こえた。魔物? と思って来るのを待っていると次第に周りからカサカサカサカサ……音が響き渡った。
「なに!?」
「なんかおかしくないか」
こちらが焦って固まっていると、1匹の魔物が出てきた。その魔物は体の周囲が紫色に光っている?
「今の状況やばくないか?」
「なんでこんな時にラーメンがいないんだよ」
「いや、ラーメンが居ても変わらない気がするけど……ツキユ?」
「え、いや、いないよりもいた方がましかなってね」
でも、ラーメンはいなくても良かったのかも知れない。私はそう思った。
「みんな何そんなに絶望してるの?」
「いや、だって周りを見て見ろよフライヤ」
次々と魔物が表れて、その魔物達は皆紫色に光っている。
「でも、まだ諦めない方が……」
ツキユは頭を抱えながら、何かを知っているのか話出した。
「あの、魔物の周りから放っている紫色の光を僕は見たことがあるんだよね。この前話した、ロディとラグモは知ってるよね?」
もちろん、知っている。ロディとラグモが戦っている所を見た事がある。
「ロディがラグモを倒して戦いが終わったと思ったら、ラグモが紫色に光ってロディを刺したんだよ。一瞬でね。その時のラグモの紫色の光と目の前の魔物から放っている光が似ているんだよね」
確かに、あの時の光と目の前の魔物の光が似ているように見える。
「ということは、ツキユの話によると……この魔物達は普段よりも、強くなってるの!? 普通でも倒せるのがやっとなのに……」
ーー
「こっちの方が近いと思うんだけど?」
「いや、こちらの方が近いと思うぞ!」
ザードとルシスがどちらの道の方が良いのかを言い合いをしている。
「俺はこの道を三年も案内してるんだ!」
「それなら私は案内をして来て、10年は経ってますけど」
二人がどうしてか、自分のいつも行っている道の方を行きたいようだ。
ルシスなら以外とすぐに引き下がると思ったのだが、
そうしたら、ラクトがザードを止めるように押さえた。
「ルシスさんの方が僕たちよりも7年も長く案内をしてるんだからそっちでいいんじゃないかな」
「なら、案内してあげている。アリナさんに選んでもらおう」
いや、案内してもらっているのは、俺もだけどな……。
「そうですね……やっぱり、三年より十年案内してる方が安心できますので、ルシスさんに付いて行きます」
「で、ラーメンは?」
「じゃあ、俺も……ルシスで」
「お前も……」
ルシスはザードの肩に手を置いた。
「諦めろ、決まった事だ」
「はぁー、でもこの先で道に迷ったり、危険な目に当たったらルシスお前が責任を取れよ」
「もちろんでございます」
ルシスは礼儀正しく、礼をした。
そして、出発してルシスに着いて行くと村が見えてきた。
「あそこで一休みをしますか」
「そうだな……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます