第2話 黎明のファンファーレ ―瑞城マーチングの詩(うた)―(2)
(※)最初の部分が前話と重複していますが、そのまま掲載します。
部活動の合宿も終わり、新学期が始まった。いずみは、仲の良い
「ねぇ、パートリーダーの発表、どうなったの?」
美久が不安げな顔で尋ねた。クラリネットパートの美久は、パートリーダーに推薦されていたはずだ。
「まだ聞いてないけど…でも、なんか、嫌な予感がするんだよね。」
トランペットパートの稜草が、
いずみも、同じように感じていた。特に、サックスパートのパートリーダーにいずみの仲間が一人も選ばれていないという噂を聞いた時、いずみの胸騒ぎは確信に変わった。昨年の「腹黒派」のメンバーが卒業したとはいえ、その影響力は依然として部内に残っているのではないか。むしろ、新しい体制になって、その力がより強まっているのではないか。そんな危機感を抱いていた。
***
その日の午後、最初の部活動ミーティングが開かれた。部長・副部長の選出が行われるという。いずみは、友人たちと共に体育館の隅に座り、
そして、部長に選ばれたのは、
「部長は片倉梨々さん。副部長は
部長・副部長・会計の発表に続き、パートリーダーの発表が読み上げられた。いずみは、耳を澄ませる。クラリネットパートのリーダーは、美久ではなく、別の三年生。トランペットパートは、稜草ではなく、やはり別の三年生。そして、いずみが最も気にかけていたサックスパート。そこにも、いずみの仲間がパートリーダーになったという名前はなかった。
「…以上です。」
アナウンスが終わり、体育館に静寂が訪れる。いずみは、全身から力が抜けるような感覚に襲われた。
「…やっぱり。」
隣で、美久が力なく呟いた。
「サックスパートも、うちの仲間は誰もパートリーダーになれなかった…。部長も菜々先輩の妹さんだし、もう、この部は『腹黒派』に染まってしまうんじゃないかと思うと、怖くて…。」
いずみは、絞り出すような声で言った。
「でも、いずみ。」
美久が、いずみの肩にそっと手を置いた。
「昌子先生は、練習を大切にって言ってたじゃない。私たち、パート練習をしっかりやって、演奏のレベルを上げれば、きっと先生も認めてくれるはずだよ。」
美久の言葉には、音楽的な上達への純粋な意欲が込められていた。
稜草が、少し考え込むように口を開いた。「パートリーダーが誰になろうと、私たちのトランペットパートの練習は、これまで通りしっかりやるしかないよ。ただ…」
稜草は言い淀んだ。「ただ、パート間の連携とか、そういうことも、これからどうなるのかなって…。」
その言葉には、パート間の連携の重要性を感じつつも、具体的にどうすれば良いのか分からない、という戸惑いが
美鳥が、心配そうに皆の顔を見回した。「私は、パートリーダーに誰がなったとか、部長が誰とか、そういうことよりも、部全体の雰囲気が悪くならないか心配なんだ。みんなが楽しく部活できるのが一番だと思うんだけど…。」
美鳥の言葉は、部全体の調和を願うものだったが、いずみには、今の自分たちが置かれている状況から少しずれているように感じられた。
「雰囲気が悪くなる? そうじゃなくて、私たちは、もっと上手くなるためにここにいるんだよ!」
いずみは、自分でも抑えきれない焦りから、少し強い口調で言ってしまった。友人たちの言葉は、いずみが求めている「演奏レベルの向上」とは、少し方向性が違うように思えたのだ。
その時、いずみたちのすぐ近くを、大場小梢と鳥谷恭子が通りかかり、そこに集まっていたいずみたちに声をかけた。(※)
(※)AIの作成した文章ではこの段落は中途半端で終わっていて、次につながらないので、作者が補作しました。しかも、なぜか、名の表記のないまま、アルトサックスのリーダー(アルトサックスのリーダーについてはAIには何も伝えていません)まで登場し、しかも登場するだけで何もせず、会話にも加わらないので、その部分は削除しました。
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