第4話 コピー兵士(シャドー)
こうしてグローブナーの部隊はスペースシップと思われる機体から乗員と不気味なコピー生命体を確保することに成功した。
乗員は三名しか確認できなかった。二名は既に死んでおり、残る一名は意識不明のまま厳重に確保した。死体は冷凍保存することにした。
影のようなコピー生命体は、驚くことにおよそ一ヶ月に一回分裂し、兵士の姿で増殖した。しかもそのコピーは指示をするだけで元の兵士と同じように活動させることができた。思考も複製しているようである。
こうしてバイロンは面白いように増殖する兵士を手に入れることになる。このコピー兵士はシャドーと呼ばれ、やがてバイロンの主力兵士となっていく。
一方、瀕死の宇宙人フェイはバイロンの基地病院に隔離され、治療が施されることになった。フェイの体は地球人とはやや異なっており、通常の医師には治療が難しかった。
そこで、バイロンはフリーの優秀な外科医を高額な報酬で雇い、フェイの治療を委ねることにした。やってきたのはザイゴートという業界きっての天才外科医であった。外科医としての腕もさることながら、ITを駆使して世界中の医学のあらゆる先端情報を把握しており、診断、分析能力も超一流であった。
ザイゴート医師をフェイのところに案内した男が言った。
「先生、これが患者です。意識が無く重傷です」
そばに上官と思われる別の男がいる。グローブナーだった。
ザイゴートはグローブナーに質問した。
「どうしてこうなった?」
「航空事故だ。墜落したんだ」
ザイゴートは、フェイの体をよく見てから男に叫んだ。
「おい、こいつは普通の人間じゃないぞ。一体何者なんだ?」
「さすが先生。一目でわかるんだな。しかし、これが何者かは教える訳にはいかない。先生にはよく調べて治していただくだけです。本件については他言無用です。どういう事かお分かりですね」
ザイゴートはバイロンに呼ばれた時点で、まともな仕事では無いのは分かっていたが、まさか普通の人間じゃないものを治療させられるとは思っていなかった。
「これは…… 普通の医学の常識じゃ手に負えないかもしれん」
「ドクターザイゴート。まさに他の医師はみなお手上げでした。だから先生に来てもらったんです。それではよろしく頼みます。シオン、後はまかせた」
男は、そう言うとすたすたと歩いて去って行った。ザイゴートの所に残ったのはシオンという女性であった。普段はグローブナーと一緒にいるが、今はフェイの看護を担当している。
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(解説:三杉)
タイトルはコピー兵士ですが、ほぼ宇宙人フェイ(女性)の話ですね。
グローブナー(男性士官)は怪しい天才外科医ザイゴート(男性医師、40~50歳くらい)にフェイを治療するように強要します。
そのザイゴートはフェイの体を見て、人間ではないことを直ちに見破ります。
彼は相当驚いたでしょうね。
一方グローブナーに育てられた(=バイロンの組織内にいる)シオンは、優しい普通の女性です。グローブナーも実は悪いやつではありません。
えー、ブラックジャックとヴァイオレットエヴァーガーデンの影響が見られますね(笑)
このフェイ(重傷)とシオン(看護担当)の関係、この後数話続きます。
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