第26話:もしも……
「あ」
そう呟いたのはピーターであった。イェサナドが射殺したテルペの死体を見た直後、彼の悪癖『ロクでもない予言者』は働き始める。
「俺、漫画とか映画とかドラマとかよく見るんだけどこういう時の敵の策略って大抵何かしらもう一個理由があるよな」
誰も彼の口を塞ごうとはせず、ただ静かに彼の言葉を聴いている。
「例えば、レオパルドの帰還が外部に漏れていたとしたら? で、丁度よくノイがナヴァロン中枢から脱出。もしかしたらイスタルジャは帰ってきたレオパルドの正体を知る為にノイを利用しこの状況を引き起こしたとか? ぶっちゃけた話テルぺを仕込んでいるなら、アイツ等は誰にも気付かれずにノイをザバービア内で回収する事が出来るし。だけど、そもそもさ……」
一息置いて。
「ウィラードって、実は意識不明になっていないんじゃない?」
そう言った直後、ピーターはぽつりと呟いた。
「……やっべえ」
その言葉は何より的確に事態を表していたに違いない。
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