第1話 トイレの相談室
入学して数週間がたった。桜が綺麗で有名な宮下市立第一中学校には旧校舎がある。
校門から入って左側に木の塀に囲まれた旧校舎が桜の木々に隠れるように建っている。
私―――
「茜、おはよう」
「さゆちゃん、おはよう!」
同じクラスで席が前後だったことで友達になったさゆちゃん。さゆちゃんも旧校舎が苦手らしく、たまにあそこで何があったかなど怖い話をしていた。
「今日も不気味だね、旧校舎。これから3年間慣れていくのかな」
「えー絶対慣れないよ!今日も見えないように気を付けて来たもん」
「確かに茜は慣れなさそう。いつも旧校舎見ないようにしてるよね」
「だって~何かが覗いてそうじゃない?目を合わせないようにしようと思って…」
いつもの癖で肩にかかった両サイドの三つ編みを触りながら答えた。
でも入学初日に旧校舎の話題でさゆちゃんと仲良くなれたので、引っ込み思案の私にはよかったのかもしれない。
私たちは笑いながら1年2組の教室に入った。
ホームルームが始まるまでさゆちゃんと話していると、数人の男子が窓際の1人の男の子の周りに集まる。
「また始まったね」
「…うん」
その席は一番後ろの窓際に座る男の子、
そのせいか中学に入学しても人を寄せ付けず、それどころか今は一部の男子にからかわれていた。
「おい落山、また外見てるのかよ」
「一人ぼっちでさみしいんだろ、外を見るしかないなんてよ」
落山君は何も言わず男子たちを一瞬見て、また外に視線を移した。
「おーい無視かよー!」
「旧校舎見てんの?キモッ、あんな薄暗いところ見て何が楽しいんだよ」
「なぁ、なんか言えよ」
それでも落山君は返事をしない。
男子たちは一通り揶揄い終わったのか「いこーぜ」と離れて行った。全然関係ない自分のほうがドキドキしてしまい「ふう」と息をつく。
「怖いよね、なんであんなことするんだろうね」
「そうだよね」
「でも、落山君もいつも外見ててなんか気持ち悪いの分かる」
コソコソとさゆちゃんと会話しながら「そうだね」と肯定の返事をしてしまう。そんな人じゃないって思っていたが、自分が巻き込まれたくなくて今日も見て見ぬふりをした。
その
さゆちゃんはテニス部に行き、まだ部活を決めかねていた私は教室に残っていたからか先生に声をかけられた。
社会の授業で使う資料運びを手伝ってほしいということで着いて行くと「古い資料が旧校舎にあってな、手伝わせて悪いな」と笑いながら言われた。
ここで断ればよかったのだが、断ること自体が苦手なためつい「大丈夫です」と返事をしてしまった。
全然大丈夫ではないが、もう旧校舎に入ってしまった。
普段は鍵がかかっているらしいのだが、こんな薄気味悪い所に誰も入らないだろう。
社会科準備室は3階にあり、私は1メートルほどの巻物みたいな資料を数本持っていくことになった。
「いやぁ助かるよ、重たかったら行ってくれ。無理しなくていいからな」
「はい、大丈夫です」
先生は分厚い資料や模型を持ち、何回か階段を往復している。私は1階で先生を待っていたのだが、急にトイレに行きたくなってきた。
怖いと思う時に限ってトイレに行きたくなるのはなぜなのだろう。
新校舎のほうに帰りたいが先生に何も言わず離れるわけにもいかず、先生が降りてきたときに「先生、トイレに行きたいんですけど…」と言ってみた。
もしかしたら「戻って行ってきていいぞ」と言われるかもと期待したが、返事はそうではなかった。
「そうか、ん~旧校舎のトイレはほとんど使われないからな、トイレットペーパーが無いかもしれない。あっ、3階なら先生よくいくから備品も用意したものがあるぞ。3階のトイレに行くといい」
終わった…、断れる勇気もなく先生と一緒に3階に行った。
トイレットペーパーを貰い、女子トイレの前に立った。
(先生がいるから大丈夫、先生がいるから大丈夫!)
女子トイレは小窓から光が入ってきてはいるが、少し薄暗く感じた。電気をつけてもあまり変わらない気がする。
トイレの個室は3つあったが、なぜか一番奥以外は使用不可の張り紙がしてあった。3番目の個室は小窓に一番近いのに、他よりも暗く感じた。
意を決して個室に入りなんとか済んだため鍵を開けようとした時だった。
「堀ー!資料全部1階に運んだから、先生は下で待ってるな」
先生の大声で話した内容に焦り「ま、待ってください!!!」と叫ぶも返事はない。
もう降りてしまったのかもしれない。
急いで鍵を開けて外に出ようとしたが、個室のドアがビクともしない。
内側にも外側にも動かない。鍵がちゃんと開けられてないかもと見てみるが、ちゃんと外れている。おかしい、開かないはずないのに。
「誰か、助けてください!ドアが開かなくて!先生ー!」
トイレの外から返事はない。先生が降りてしまったなら3階にいるのは私だけだ。普段他の人も来ない旧校舎に誰かが助けに来てくれるだろうか。
時間が経てば先生が来てくれるかもしれないが、それを待てないほど恐怖が押し寄せてくる。
ドンドンと扉を叩き助けを求めるが返事はない。
ふと背筋が凍るように冷え何かがいる気配を感じた。背後に何かがいる。人の気配を感じる。
怖くて叫ぶ声が震えてくる。
「誰か!お願い、ここにいいるの!!」
「…そうじゃの」
「!?」
自分しかいないはずの個室、私の背後から返事が聞こえた。
「遊ぼう、一緒に、ずっと」
「ひっ」
何かが背中に縋りつくような感覚でもうだめだと思ったその時、外から足音が聞こえた。
足音はトイレの前で止まり私のいる個室の前まで歩いてきた。
コンコンコン
「はーなこさん、僕暇なんで遊びましょー」
男の子の声だったがそんなことどうでもいい、恐怖で掠れる声で「たすけて」と言った。
聞こえているのかいないのか男の子からの返事はない。足音が徐々に離れて行く音がして焦りもう一度声を出そうと力んだ瞬間―――。
「花子、お前が好きな男の名前をここで叫ぶぞ。せーの、たな―――」
バンッ
「何で知っておるんじゃ!!話してはいかん!!黙れ!!」
さっきまでビクともしなかったトイレの扉が勢いよく開く。
私はいきなり扉が開き、扉から少し離れた少年と目が合った。
「らくざんくん…?」
「人間も入ってたんだ」
落山君は表情を変えずに私を見ていたが、すぐに私の背後に目線を動かした。少し失礼だなとか、ここは女子トイレなんだけどとか、気になったことは安心感ですべて消えていった。
「おい学、ダメだろ女の子がトイレに入ってたんだ。女の子びっくりしてるじゃねぇか、ちゃんと謝れ」
先ほど花子と呼び捨てたおじさんの声が聞こえる―――足元から。
見てみるとそこには人間の顔をした犬がいた。
「悪いな嬢ちゃん、学は人間に興味なくてな」
「そうか、謝らないといけないんだね。教えてくれてありがとうシバさん。君、女子トイレに入ってきてごめんね」
「…いいよ。あの、助かったから」
情報量が多い現状に頭が追い付かず、ひとまず手を洗おうと洗面台に向かった。
「おいどっかの人面犬、なんでお前が我の好きな人を知っておるのじゃ!数人の人間にしか話したことは無いのだぞ」
「お前知らねぇのか、人の口に戸は立てられねぇってな」
「ぬぬぬぬ、人間め。好きな人をバラすのはれぎゅれーしょん違反じゃろ」
どうやら私を閉じ込めていたのはトイレの花子さんらしい。改めて見てみると、どこかで聞いたの事のある白いブラウスに赤いワンピースを着たおかっぱ頭のかわいい女の子だ。
どこの学校にもある七不思議の1つ。
3階の女子トイレの3番目の個室を3回叩き「花子さん、遊びましょう」と言うと中から返事があり、トイレに連れていかれるというものだ。
花子さんだけでも怖いのに人面犬も怖い、分からないことだらけでまた恐怖で震えてきた。
安心しようと落山君を見ると、笑っていた。
赤いワンピースを着た女の子と人面犬の会話をニコニコしながら見つめている落山君は、私にまた別の怖さを感じさせた。
同じ人間のはずなのに、得体のしれない生き物をみているようだった。
そんな私の視線に気づいたのか、落山君が私のほうを向いた。
「君まだいたの?もう帰っていいよ、閉じ込められてたんでしょ。今から僕と花子さんが遊ぶから帰りなよ」
さっきと同じ抑揚のない声で私に帰るよう促す。
(助けてくれているん…だよね…?)
「うん、助けてくれてありが…」
「ならん!この女の子は我と遊ぶのじゃ。久しぶりにこのトイレに入って来たからのう。ほれ、ちり紙もこんなに用意しておるのじゃぞ。長居する気が無ければこんなに持ってこんじゃろう」
花子さんがニヤッと私を見つめた。可愛い女の子なのに、なぜか笑顔が不気味だと感じ一気に寒気を感じて動けなくなった。
そんな、トイレットペーパー持ってきたくらいで?怖い、意味が分からなくて怖い、どうしよう。
冷や汗が出てこの後どうするかも考えつかない中、落山君が花子さんの腕を掴んだ。…腕を掴んだ?幽霊の?
「花子さん、おままごとしよう」
「だから我はあの子と遊ぶんじゃ」
「じゃあここを花子の部屋ってことにしよう。あ、徹子の部屋って番組知ってる?知らないか、ずっとトイレに引きこもってるもんね」
「引きこもってはおらん、ここが我の領域なのじゃ」
「うん、だから自分の領域に引きこもってるんだよね。徹子の部屋っているのはね、」
「だからやらんと言っておるじゃろ!引きこもってもおらぬ!なんじゃその部屋、そもそもここトイレじゃぞ」
「徹子さんがゲストとお話する空間でね、」
「なんじゃこの
「ZZZZ」
「トイレで寝るなー!!!」
いつの間にか花子さんが1人と1匹にツッコミをし続けている。…あんなに怖かった花子さんが少し可哀そうに見えてきた。
それでも落山君は話し続ける。
「花子さん、僕毎日退屈で困っているんですよ」
「知らぬ」
「人間にもなぜか興味が湧かなくて、表情もあんまり変わらないってお母さんやシバさんにも言われるんだ。でも唯一興味の湧くものがあるんだ」
「フン、小童ぐらいの年齢にありそうな話じゃ」
「妖怪とか幽霊とか不思議な存在なんだ」
「我でも分かる、それは”ちゅうにびょう”という病気じゃろ。じゃがお前に興味は、」
「それで人間を困らせている奴の除霊をしてるんだ、趣味で」
「…」
声のトーンも表情も変わらない落山君だが、腕を掴まれた花子さんの表情は徐々に強張っていく。
「困った人を助けたら合法的に妖怪や幽霊と話せるからね。あ、もちろん絶対に除霊するわけじゃないよ。僕の目的は花子さんみたいな存在とお話して好奇心を満たすことで」
落山君が話し続けるほどに花子さんの姿が変貌していく。
目は真っ黒になり、口は耳まで裂けるほど大きくなり鋭い歯が何本も覗いている。体も少女の大きさからどんどん大きくなっていく。
「小童ぁ、お前ごときが我を除霊だと?笑わせる!お前なぞ一捻りにしてくれるわ」
どんどん大きくなり女子トイレの大半を占める花子さんは、鋭く伸びた爪で落山君に襲い掛かった。
(危ない!)
怖くてその場面から視線をそらし、顔を手で覆う。
「花子さん、ちゃんと話聞いてよ。なんでそんなにヒステリックになったの?もう、この力は使いたくなかったのに」
どこからかキーンという耳鳴りのような音がした。
「
「ぎいやぁぁぁぁぁ」
落山君の声の後に花子さんと思しき叫び声が響く。
静かになったが、何が起こっているのか分からず怖くて何もできない。目を閉じても流れる涙を手で拭うことしかできなかった。
しかし、さっきまで感じていたトイレ全体を覆うような圧迫感はなくなっていた。
恐る恐る目を開けると、元のサイズに戻りぐったりとした花子さんがまだ落山君に腕を掴まれていた。よく見ると花子さんの口からよだれが垂れている、本当に何があったんだろう。
「それでね花子さん、僕の相談なんだけど」
「…いや、待てお前。なんじゃ今の力…」
弱弱しい声で花子さんが聞いた。
「あれは僕が使える力なんだ、いつの間にか使えるようになっててさ。どう?痛かったでしょ?肉体が無いのに痛みを感じるって不思議だよね~」
「そんなれべるのもではない…小童、お前何者じゃ」
「ごめんなさい、自己紹介してなかったね。落山 学です、花子さんこれからよろしくね」
「よろしくしてたまるか」
「それで相談なんだけど」
「…全然話を聞かん、なんじゃこれ、じぇねれーしょんぎゃっぷか?」
違います花子さん。
「もうあの子も開放する、じゃからお前らも一緒に帰ってくれ」
落山君が何をしたのか分からないがくたくたになった花子さんはいそいそとトイレに戻ろうとしていた―――が、落山君はまだ腕を離さない。
「じゃあ今日は帰るからさ、今度話を聞いてくれる?」
「聞かぬ!もう腕を離せ…」
「シバさんから、花子さんは長生きだから色々相談してみると面白いって聞いてさ」
「…もうよい、分かった。聞いてやるから我を解放してくれ」
「でも旧校舎はいつも鍵がかかってて入れないんだ。今日は運よく開いてたんだけどさ、花子さんが旧校舎の鍵開けてくれるの?」
まさかこんなところに旧校舎に好んで来る人がいたなんて。
花子さんは可愛い顔にしわを寄せてため息をついた。
「我は日本中のトイレと繋がれる。便器に顔でもつっこんで呼び掛けてみよ、お前の呼びかけなら答えてやる。だからもう今日は勘弁してくれ…」
花子さんはしおれた声で肩を落としているが、落山君はよほど嬉しいのか「やったー!」とジャンプして喜んでいた。
腕を掴まれた花子さんも落山君に合わせて体が上下していた。
ありがとう!と大きな声で言いやっと手を離した時、花子さんがボソッと「現代こわいのぉ…」と言って消えていったのを見届けた。
いつの間にか涙も怖さも引っ込んでいた。
「シバさん起きて、早く家に帰ってトイレに話しかけよう」
「ふわぁ~。ん?トイレに話しかける?そうか、うん?まぁいいか」
落山君に抱きかかえられた人面犬が寝ぼけながら答えた。
やっと女子トイレから出られた。とても長い時間居た気がしたのに窓の外は何も変わっていないように見える。まるで数分しかたっていないように。
落山君はスタスタと階段まで進んでいくため私も後を追うように小走りになった。怖さはなくなったがそれでも旧校舎にこれ以上1人でいたくない。
「待って落山君!」
全然止まらない!待ってって言ってるのに!!
「落山君!」
やっと足を止めたかと思うと、さっきまで花子さんと話していた時とは比べ物にならないほど無表情でこちらを振り返った。はぁとため息をつき私を待ってくれる。
そんなに距離も無いが落山君の隣まで行きやっと安心した。そんな私を見て落山君も歩き始めた。
「ありがとう、助けてくれて」
「…助けてないよ。ちょうどよかっただけ」
「…」
「…」
何も話すことが思い浮かばない。
花子さんに何をしたの?人面犬と何で一緒にいるの?聞きたいことは沢山あるけど、何から聞いていいのか、そもそも聞いていいのか分からず沈黙が続いた。
何か話題は無いかと探し口をついて出たことは、
「毎朝揶揄われていやじゃないの?」だった。
最悪だ、私。嫌に決まってるじゃない、何この質問。
口から出た言葉は戻せない、質問の内容に自己嫌悪しながら心の中で反省会をしつつ頭を抱えた。
だが落山君から帰ってきた言葉はあっけないものだった。
「何もない」
「え?」
「何か言ってるけど、何も感じないんだ」
声のトーンは変わらないのに少し寂しそうだと感じた。
これ以上聞いていいのか、それとも嫌じゃないならもうこの話は終わったほうがいいのか考えあぐねていると落山君が続けた。
「それより君、」
「堀 茜。小学校一緒だったんだよ、ちなみにクラスも一緒」
「そうなんだ。堀さんはさ」
「なに?」
「もしかしてシバさんの言ってることが分かるの?」
「え?」
「普通の犬に見えてないの?」
何を聞かれているんだろう、どう見ても顔は犬じゃなくて人間だ。しかもちゃんとおじさんの顔をしている、なんなら少し落山君に似ている気もする。
でも、それは言ってはいけない気がした。
「…もう何言ってるの落山君!ただの犬だよ、何言ってるかなんてわかるわけないじゃん」
今できる精いっぱいの笑顔で返事をする。心臓の音がいつもよりうるさくて、聞こえてしまうんじゃないかと焦った。
1階まで来て「そっか」と言った落山君の言葉の意図は分からなかったが、そこで待っていた先生が私たちに気づいた。
「ん?なんで落山がいるんだ?」
先生は特に待った感じも無くさっきまでいなかった落山君に訝し気な顔をしていた。
「鍵が開いていたので入っちゃいました」
「そうか、男の子だもんな!そりゃ冒険したくなるかぁ~、先生も子どもの頃はなぁ~…」
先生は昔を懐かしむように話した。
落山君は表情を変えず、台車に乗りきらなかったであろう荷物を持った。いつの間にか人面犬はいなくなっていた。
「先生、僕も運ぶの手伝いますよ」
「おうそうか、ありがとう!思ったより多くてな、往復しないといけないかと思ってたんだ。助かるよ」
そうして私たちは旧校舎を後にした。
帰る頃には、落山君の姿はなかった。
***
母親が夜勤に行ったあと、学はトイレにほぼ顔を突っ込んだ状態で花子を呼んだ。
普通の家のトイレに出るわけないだろと言ったが、花子はため息と一緒に出てきた。
「…今日の今日で呼ぶ奴があるか、我は疲れておるのじゃ」
「花子さんとはほとんど話せてないからね」
学はこういう類のものにだけなぜか感情が動かされるようだった。もちろん俺もだ。
学は初めて会った時にはすでに無表情だったが、俺を拾って看病していた時は表情がコロコロ変わっていた。学のためになるんなら俺はこういう類の奴らと関わることを止めはしないが―――
「人面犬よ、お前もこやつを止めよ」
「俺は寝てたからな、まさか家で呼べるとは思ってなかったぞ」
「こやつが我を消すほどの力を使ってな、しかたなく解放の条件にいつでも呼べば応えると言ったのだ」
ため息をつく花子に笑顔で話し続ける学。
そうか学、お前またあの力を使ったのか。
俺は学の感情が戻るなら止めはしない、だが学が持っている力には懐疑的だった。ただの人間が、長い時代語り継がれてきた強力な妖怪を消すほどの力を持つことはあり得ない。できて封印までだ。
それでもその力は何回も学を助けてくれたことも事実だ。
「まぁ、お前が幸せならな」
言い聞かせるように呟き、学ぶの楽しそうな表情を見ていた。
落山少年の退屈な日常 猿投山くるぶし @saru8-man
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