目指せギタートリップ

 タイトル変えました。更新する前は『暮らし綴り』という題でしたが、なんか素っ気ないしお上品な感じがするので雰囲気に合わないなぁと。今のタイトルもあんまりしっくりきてないので、そのうちまた変えるかもしれませんが。


 あと、敬体で書いていくのもなんだかしっくり……なので、ここからは常体で。



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 第二回ということで、このエッセイが続けば多分この先でもちょいちょい話題に出るであろう、私の好きなものについて綴っていこうと思う。


 エレキギターが好きだ。エレキを弾いている人を見るのも好きだし、自分で弾くのも好きだ。

 趣味でバンドをやっていて、元々はボーカル中心だったけど、ちょうど一年前、とうとうエレキに手を付け始めた。


 音楽はなんでも好きだけど、中学生くらいからロックを中心に聴くようになり、昔からエレキを弾くことは私の憧れだった。

 しかし……学生時代、エレキを弾くことは許されず。クラシックをこよなく愛していた母が「ギターなんて不良が弾くもの。女の子の弾くものではない」という考えだったからである。

 いつの時代の話やねんほんまに、今平成やぞ!? 心の中では悪態つきまくりだったが、当時母の言うことは絶対だったがために従うしかなく、代わりに近所の楽器店でアコギを習っていた。あまりにも不真面目な習い方をしていたために基礎すらまともに身につかなかったが、それでも当時の経験は今のエレキに役立っている。


 社会人になってからバンドを始め、初ライブに内心渋々であったであろう母を連れてこさせた。結果、母は号泣。ステージで楽しそうにしている私の姿に感動したという。以来「エレキは習わへんの?」と度々言ってくるようになったのだから学生時代の私はひっくり返ると思う。


 この時点での私は、エレキを習うことを躊躇っていた。色々なバンドを見るうちに、「もしエレキを習ったとしても、あんなふうに弾けるわけがない」と自信をなくしてしまったのだ。しかしバンド仲間からも「できる楽器は増やした方がいい」と言われ、で18000円の格安ギターを購入してからは早かった。バスで20分くらいの距離にある楽器店にて体験レッスンを申し込み、講師の方がとても素晴らしくその日のうちに契約し、その一週間後から本格的にレッスンスタート、アコギを習っていた経験が生きたおかげで半年もしないうちにステージにてエレキデビューを飾ったのだった。



 何故エレキが好きか。答えは単純、かっこいいからである。似たような形のベースももちろんかっこいいが、縁の下の力持ちであるベースの低音と比べると、エレキはとんでもなく音がゴージャスだ。しかも機材によって自由自在に音を変えられる、無限の可能性を秘めた楽器なのだ。

 椎名林檎の名曲『丸の内サディスティック』には「マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ」という歌詞があるが、マーシャルとはギターのアンプのこと。つまりあれはエレキの音を全身に浴びて気持ちよくなることの比喩である。

 とんでもない歌詞を考えつくなぁと聴く度いつも思う。エレキのあの「ギュイーン」という音を全身に浴びると、断じてドラッグをやった経験はないが、本当に飛んでるんじゃないかというくらいに気持ちよくなれる。……私がギュイーンを奏でる場合、ギュイーンじゃなくてぼわーんになるのだが。練習不足ですねはい。



 そして弾いている人をものすごくかっこよく見せてくれるという点も好きだ。本当に上手い人、余裕のある人は、首を振ったり、身体をゆらゆらさせたり、イナバウアーの如く反り返ったりする。私はあれをギタートリップと呼んでいる。

 直立してただただ手を動かすタイプの人も、集中型という感じがしてそれはそれでかっこよくて好きだ。私も直立タイプの方ではあるが、ただ単にギタートリップする余裕も技能もなく、手元を見るのに必死になっているだけなのでかっこよくない。


 ギターを弾いている人の表情を見るのも好きで、恍惚としていたり、はたまた無表情で集中していたり、弾けるような笑顔でめちゃくちゃ楽しそうだったり、どんな人も素敵だが、私の無表情はただただ必死さが滲み出ており、にやーっと笑う時はミスした時であるので非っっっ常に分かりやすい。

 それでもやっぱりステージに上がるのは気持ちがいいから、それがなんとか私のモチベーションになってくれている。

 せめて一年後には首を振れるくらいの余裕と技能は身につけておきたい。

 レッスン行ってきます。


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