月曜日「止まらない君への思い」
朝の光がカーテンのすき間から差し込んで、
部屋の空気をきらりと照らす。
ベッドの上で、昨日のことを思い出した。
ほんの数秒、すれ違っただけなのに――
心の中では、まだその背中が歩き続けている。
「はぁ……どうしてこんなに気になるんだろ」
頬を両手で包む。
日曜日の恋の残像は、まるで夢みたいで、
でも、夢よりずっとリアルに私をドキドキさせてくる。
通学路の角を曲がるたびに、
「もしかして今日、会えるかも」
そんな期待が勝手に膨らむ。
胸の奥で、止まらない音が鳴ってる。
教室に着くと、窓際の席で彼が本を読んでいた。
ペンを動かす手が綺麗で、
ページをめくるたびに、心まで吸い込まれそうになる。
(ねぇ、結城くん。
そのページの向こうに、私の名前が書いてあったらいいのに)
授業中も、黒板の文字が視界に入らない。
ノートの端に、ペン先で小さく書いてしまう。
「結城くん」――そして慌てて消す。
消しても、インクの跡が心に残ったまま。
放課後、机の上に光が差し込む。
私はノートをもう一度開いて、
今度は消さずに書いた。
「今日も君を見かけた。
それだけで、少し元気になれたよ。」
文字が踊っているみたいで、
ページの上が、私だけの恋の地図になっていく。
好きって、たぶん「止めよう」と思うほど止まらない。
朝も昼も夜も、君のことで頭がいっぱいになる。
これが恋なの? って笑ってみるけど、
笑うたびに胸の奥がきゅっと締まる。
家に帰ると、制服のままベッドに倒れこんだ。
スマホの画面には、彼の名前が一番上にある。
トーク画面は空っぽ。
それでも、眺めているだけで少し幸せになれる。
「今日も結城くんのこと、考えすぎたなぁ……」
そうつぶやいて、
目を閉じた瞬間、また彼の笑顔が浮かんだ。
止まらない君への思いは、
今日も私の胸の奥で静かに暴れている。
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