第3話  野生の野盗さん

第3話 野生の野盗さん

 

〜リューネス到着の半日ほど前〜

馬車を進めていると木々の間から視線を感じ始めた、山賊か?面倒だな、まぁ捕まえて衛兵にでも突き出すか。そう思い腰の剣に手を伸ばす


「気づいているか?」


「えぇこちらの様子を見ているわね、数は5人ぐらいかしらね」


「ちょっくら捕まえてくるよ、休憩でもしといてくれ」

 

 そう言って馬車をおりて森の方へ声を掛ける。


「いるのは分かっている、さっさと出てきてくれ」

すると屈強な体つきの男が5人森から姿を表した。


「それを分かっていながらわざわざ声を掛けるとはご丁寧なことで関心だな」


「どうせあんたらは野盗の類いだろ?」


「それが分かっているなら良しさっさと金目の物と女を置いていけそうすれば命だけは助けてやろう」


 俺は鞘からルーヴェンを引き抜き構えを取る、そして一気に駆け抜け相手を斬り伏せる。


「貴様なにを!?」


 次の瞬間野盗の親玉らしき男の腕から血が吹き出し倒れる、初めて人を斬ったにしては随分落ち着いているもんだな。さてとコイツらを縛り上げるかね、懐から紐を取り出し縛っていくすると野盗の一人が話しかけてきた。


「この強さあんたさては素人じゃねぇな一体どんな職業を授かったんだ?」


「俺は呪具師さ、俺の強さもこの呪具のおかげさ」


「呪具師だと!?呪具は強力だが呪われるはずなぜ呪われていないのだ?」


「あんたに教える義理もないんだが隠すことじゃないし教えてやるよ、俺は呪いが効かない体質なんだよ」


「そんな事があるのか、そんなやつを襲いかけるとは俺達も運が悪い」


そんな会話をしつつ馬車の荷台に野盗達を乗せて進むこと半日ようやくリューネスに到着した、門番に野盗達を引き渡し俺達は体を休めるため宿を取りに向かった。


宿を取りそれぞれの部屋で疲れを取る、実戦でで使ってみて改めて気付いたが喰魂剣ルーヴェン、この剣斬れ味がとんでもない。多分強力な効果のものが多い呪具の中でも特に危険且つ強力であるS級呪具に分類されるはずだ、良いものを見つけたよほんとに。さてと次の馬車の手配をしてくるかね、あいつはここまでだしそう考えながら宿を出て馬車などの貸し出しを行っている商会へと足を運んだ。



〜呪具師ギルド本部〜


「正体不明の呪人だと?」


「はいここ最近この領地で被害を出しているようでして討伐に向かったC級呪具師3名と連絡が取れておらず、更にその救助に向かったB級・A級呪具師も死にかけの状態で帰ってきていまして現在治療中です」




「ふむ、A級がやられるとはな、仕方あるまいこの件に関しては私が引き受けよう」


「危険すぎます!ギルドマスター!ただでさえ呪いの影響があるうえに高齢だというのに」


「だからこそ私が出るのだ、これ以上若い呪具師の芽を摘ませるわけにはいかん。老いぼれ一人いなくなったところで大した事なかろう」


「御冗談を貴方は魔王を討ち取った英雄ですよ?それに貴方が創設したこの呪具師ギルドのお陰で呪具師達の保護と呪具の管理ができているのです。貴方に救われた呪具師がどれだけいることが」


「安心しろまだくたばる気はないさ、それでその呪人は何処にいる?」


「報告によるとここからすぐ近くの森にいるそうです」


なるほどなしかしA級もやられているのかとなるとかなりの強さだな、呪具師は呪具以外持てないと言う特性上使う呪具のにはかなりこだわる。呪いによるデメリットが小さくて強力な呪具はほとんど存在しないそのため呪具師たちは強力な呪いに耐えつつ強い呪具を使うか性能が弱いがその分呪いも弱い呪具を使うかその見極めが大切なのだ。


A級にもなると呪具が弱くとも呪具師本人の技量でどうとでもできるはずなのだがな、何事にも限界はある。


そんな事を考えつつ森へと向かい気配を探る、とびきり邪悪な気配を漂わせた奴が奥の方にいるのが分かった。


ガルシアムを引き抜き気配のする方へと向かう、すると突然黒い触手のようなものが襲いかかってきた。ガルシアムを振り回し触手を斬るがすぐに再生し襲いかかってくる、このままでは埒が明かないそう思い触手の先へと突っ走っていく。そこには異様な姿をした人のようななにかが佇んでいた。


「こいつが呪人か?A級がやられるとも思えんが」


確かに触手は少々面倒だがA級なら問題なく対処できるだろう。その呪人どの距離を一気に詰めガルシアムで真っ二つに切り裂く、しかしグニュリと音がするだけで斬ることができかった、嘘だろガルシアムはS級呪具だぞなんで斬れねぇんだよ。


「ならこれならどうだ?」


俺はナイフ型の呪具を取り出し呪人に突き刺すすると切られた部分が徐々に石化していきやがて全身が石化した。どうやらA級呪具『石蛇の牙』は効いたみたいだ、この呪具は斬りつけた相手を高確率で石化させるが自身も体の一部が石化するというデメリットがある。


ガルシアムで石化した呪人を壊し回収をする呪人は呪具に取り込まれてしまった元呪具師だ本部で弔ってやらなくてはな。あれはおそらくA級呪具『蛸の鎧』だあれは着ると蛸の足のような触手を操れるようになり更に柔軟性が増すはずだ。


「今回石化するのは左腕か」


左腕が徐々に石化していく、腕くらいならまだ良い一度取って回復魔法をかけて再生すれば良い。問題は脳や心臓が石化したときだそうなれば詰みそのまま死ぬしかないなんとも恐ろしい呪具だよ。

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